団塊世代とシニア層

本日、某所で団塊シニアの心のつかみ方、というセミナーを拝聴しに行った。
しかし、お話を伺えば伺うほど、なにか、私の中でしっくりこなかった。

団塊シニアの特徴として
1)時代の消費をリード
2)一定の海外旅行経験がありスマートなサービスを求める
3)旅行を能動的にとらえ、自ら堪能する積極的なタイプ
4)インターネットでの情報収集

という項目があったのだが、私が知っているリアル団塊世代を並べても、該当する人がいない。
もしかしたら、商品の金額が高いから、所謂富裕団塊世代なのかと思ったが、それでもなさそうだ。
しかし、話を聞いている内にそれが62歳から66歳くらいの人であればしっくりくることが分かった。
確かに、団塊世代は高度成長期の真っただ中にいたが、高度成長期を作り上げる為の基礎を作ったのは団塊世代の前である。団塊世代は伸び始めた中にいた。それだけだ。
さらに、海外旅行経験があり、スマートなサービスというが、サービスと言うのは、双方向で起きるものである。自分がサービス業をやっていて思うが、62歳以降の人はサービスを受けるのがうまい。団塊世代は、まだそこまで達していない。それが団塊世代がまだ一つ上の世代に比べて子どもだからなのか、そういう世代だからなのかは解らない。
旅行を能動的?これに関してもちょっとクエスチョンマーク。
団塊世代は確かに蘊蓄が大好きだし、その蘊蓄はとても参考になるが、じっくりと調べるのは心に余裕が出来る62歳以降である。60歳なんて、まだ俗世から離れていない。
さらに、ウェブのアクセスが15時頃、というのも、リアルシルバーなら朝の6時頃だし、リアル団塊世代(S23年前後)ならまだ仕事をしているので、15時にアクセス増大と言う訳にはいかないだろう。
今日分かった事は、「団塊世代」というのはノリが軽く、「みんなで頑張るぞー!」の「持ちつ持たれつ」という62歳以降の「シニア層」とも違い、54歳以下の「若くてしっかり者」とも違い、明るくて、軽くて、元気な、そして特殊な層なんだってことだ。だから、「団塊シニア」と57歳くらいから65歳くらいまでをいっしょくたにまとめてはいけない。
私が毎日シニア層に接していて、そして、ここでは簡単に「シニア層」と括ってしまっているが、シニア層と団塊世代は違うと言う事が最近はっきりしてきた。さらに、団塊世代の男性の妻はもう少し若いし、優しいし、しっかりしてるし、団塊女性は強いし、いやなものは嫌、好きなものはスキ、もっと遊びたい、もっと羽ばたきたいという人が多い。
今日、お話を伺いながら、ぱっと名前が出る団塊世代の名前を紙に10名ほど書き出し、やっぱり団塊男性って特殊で、少年の様だと、そして団塊女性は特殊で、お姫様の様だと、しみじみ思ったのである。
本当は、団塊世代のがっつり特徴も伺いたかったのですが、もし、私がしゃべっていて、そういう質問受けたらやだなあ。と思ったのでやめました。ハイ。(小心モノ)でも、いろいろ考える事が出来ました。ありがたいことです。わが社の保有するシニア層消費行動別プロットもそろそろ成長させようと思います。
しかし、私も時折人前で話して思うのだが、面白い特徴を持った人と言うのはどうしても話に出やすい。それは100名のうち1人、面白いセリフを言って、それが「私が考えるシニア層」に合致したもので、話して受けるものだから話してしまうのだが、聴衆としたらその一人のセリフが「世代を代表する」会話になってしまうのだから、そういう特殊な話ばかり、特に目立った人の話や発言ばかりを面白く伝えていくのは難しいなあと思った。
やはり何百と言うセミナーに行くよりも、実際のシニア層と触れ合って喋って笑ってもらうことが何よりも大切だと思います。
以上独り言。