オフィス退去備忘録~その5 収束~
コロナ禍であいさつの形が変わった。今時は肘を合わせたりするのが新様式の挨拶らしい。文化が変わるのを目の当たりにしている。面白い。
5月11日。
朝会社に来るとFAXがきていた。
「大家さんからの伝言です。
とりあえず140万円振り込んでください。余ったら返します」
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振り込め詐欺???
「140万ってなんですか?」
と不動産屋さんに電話をすると
「まあ色々よ!!!」
と、まったく答えになっていない答えをもらった。
「意味が分からないので振り込みたくないんですが」
「余ったら返すから大丈夫」
「いや、なにその、世界で一番信用しちゃいけない選手権みたいな言葉」
「大丈夫」
「自分で大丈夫という人を信用しちゃいけないってご先祖様が言ってた(適当)」
「とにかく、なんで払わなくてはいけないのかわからないので、せめてその内訳を教えてください」
みたいなやり取りの後、5月12日、再度FAXがきた。
見積りに手書きで「追加保証金」
と書いてあり、合計金額111万円が線で消されて、140万円になっている。
内訳見ても意味が全然分からない。
「ちょ、ちょっと考えます」
と不動産屋さんに言い、どうしたものか…と頭を抱える。
とりあえず、家賃減額の動きもあるわけだし、国交省に電話してみるか。
虎の威を借る
国交省に電話する。
「そんな話聞いたことないですね。法テラスに電話したら?」
法テラスは、民事中心。そのアドバイスを聞いたときに(国交省大丈夫かいな)と思ったのだけど、とりあえず法テラスに電話。案の定、民事じゃないので、弁護士に相談と言われたところで、不動産屋さんから電話があった。
「振り込みの件、どうなってます?いつ振り込みますか?」
完全な振り込み詐欺案件みたい。
「とてつもなく納得できないので、国交省に相談したところです。ちょっと対策考えるので少しお待ちください」と答えて電話を切る。
その30分後、「追加保証金はいらないので、最初の見積もりの111万だけすぐに払ってくれればいい」という連絡が来た。
国交省グッジョブ。良い虎様である。
気が変わられると困るので、すぐに振り込んだ。これで後は何もないことをただ、ただ、祈る。
そして、5月末からホームページのない指定業者さんの施工が入り、6月9日、無事引き渡した。
余談ですが、これのおかげで他の階のテナントさんとツーツーになったので、当ビル限定原状回復アドバイザーになれそうだ。あてにはならないが。
無事返却
その後。本日6月29日。この大家さん物語が、昔話のようだ。
そして私はまた強くなった(気がする)
テナントについては、立地がまあまあいいので、内覧が次々に来ている。
楽しいテナントさんが入るといいなあ。
今回、本当に色々なことを学びました。
ご指導くださった皆様、ありがとうございました。