シニア層にとってのインターネット

「一般人」とインターネット、と言う話をいろいろ見ましたが、私は自分の得意分野?でシニア層とインターネットについてちょっと触れてみよう。
インターネットができる。というのは何を持ってできるというのだろうか。
多くの人はインターネットを見ている。
アグレッシブに?検索などしない。
我が家では常にパソコンがついている。
食卓などで話題になったことで、「えー、なにそれ」などということは、すぐに調べてしまう。
解らないと思ったらすぐに調べるし、この間も円周の計算方法が解らなくてすぐに調べた。
シニア層は違う。
「円周って何だっけ」「うーん、なんだっけね」「なんだっけ」 それで会話が終了する。
そこからインターネットにはいかない。
たぶん、シニア層だけじゃない。
いくつか例を提示しましょう。
☆インターネットぐらいできるよ、というおじさまA。
見ているのは友達のブログ、自分のブログ、Yahoo!。以上。
あ、時刻表は便利だよね。良く使うよ。で、ほかに何使うの?2ちゃん?ぼくはみないなあ。
☆インターネットぐらいできるよ、というおじいさまB。
あー、インターネットね、探すやつでしょ。Yahoo!出してコンサートホールの名前とか入れるとね、出るよね。
そうそう、やり方は知っているよ。あー、でもさ、そういうの始めると時間無くなっちゃうよね。
だからね、僕はインターネットはまあ、ニュースくらいかな。Yahoo!がね、便利だからね。
☆インターネットをしているおばさまC
えー、インターネット?してるー。時刻表とか便利よね。
お友達からね、面白いわよと言ってメールが送られてきて、それを見るかしらね
あまり調べたりはしないわよね。結構主婦って忙しいのよ
☆インターネットをしていない(自称)おばさまD
インターネット?そういうのってどうやるのか知りたいんだけどね。
え?時刻表?ああ、あれってインターネットなの、あーそう。知らなかったー。
☆インターネットをしていない(自称)おばさまE
インターネットなんて難しいことしなくていいの!ただ、ファンクラブのページを見られればいいの(目がハート)
☆インターネットをしていないおばさまF
インターネットでなにがしたいって?何ができるの?とりあえず、インターネットってものがしてみたいのよ。
・インターネットの面白さって、なにかを発見することでもあると思う。というのは古い考え方なのかも。
私は面接の時に「インターネットの面白さって何ですか」と聞くことが多いのだが、昔は探したいものを探せることですとか、安いものを見つけられることですとか言っていた人が多かったのに、最近の若い子wは人とのつながりですとか、そういうコミュニケーション系の回答が多い。私はなんでも探しちゃうよー♪インターネット便利だよ~。と思うタイプなのだが、まあ、最近のユーザーはそういうんじゃないんだろうなあ。別に調べなくてもいいじゃん。
・答えはすぐに出ないということを知らない
先日、中学生に教えて?来たのだが(ボランティア)、検索結果が思ったものではないとすぐに私を呼ぶ。
「先輩、検索結果が自分の思うようにでないんっすけど」
「言葉を変えてみれば?」と指導をする。
すると横にいた少年が言う。「先生、僕も検索の言葉教えて」
「えー。ちょっと考えなよー。考えて、もがいて、答えが出なかったら私に話しかけてもいい」と突き放す。
一般人?使えない人?はインターネットで何が出るか解らない。
経験を積めばいいのにと言うけども、経験の積み方が解らない
経験が積めないから教えてって言っているのに、経験を積めってしどいしと!(江戸弁:ひどいひと)
今日打ち合わせをしていて思った。
できるひとは、息を吸って吐くようにインターネットを使う。
できない人は、息のすい方も吐きかたも解らない。それを教えてほしい。
先日、うちの新人バイト君が「どうして、彼らは調べないんでしょうね。インターネットつながってるなら調べればいいのに」とふとつぶやいたのだが、使える人のなぜ、は彼らには通用しない。
テレビは簡単だ。受け身だもの。
インターネットはこちらからがんばらなくちゃいけない。
がんばらなくてもできる人はいい。でも、がんばらなくてもできる人は、がんばらなくちゃできない人の気持ちが解らない。そして、年をとればより、がんばらない方法を選ぶ。
「だって、自分ががんばるより、聞いたほうが早いでしょ?」
「調べてもらったほうが早いでしょ?」
インターネットにはツアー旅行がない。
インターネットは個人旅行のようなものだ。だから、多くの人が疲れるんだ。
どこに行ってと言われない。
誰も自分を守ってくれない。
私がインドを放浪していた時、多くの人が疲れていた。「騙された」「いい人だと思っていたのに」
間違えた方向にはまっちゃった人もいた。ガンガーそばでいっちゃってた男の子の顔はすごかった。同じドミトリーの人が病気にもなってた。
一人旅行はいろいろな楽しみがある。出会いもある。発見もある。私もひとりで行ったからこそ、すごいすごい楽しかった。危ない目に合いそうにもなったし、何度も騙されたけど、発見とか出会いとか、それ以上の何かがあるんだと思う。
でも、ツアー旅行だったら、この店に行って、ここにいって、これはこう言う背景があってって全部説明してくれる。
危ない目に会うよりは、安心を買ったほうがいい。
宿を探すための交渉とか、変なツアーに組み込まれたりとか、そういうのないものね。
インターネットがツアー旅行のようにならない限り、シニア層はインターネットを使えないんじゃないかなあ。
ツアー旅行を目指したコンテンツとか、そういう機械とか、必要なんだろうなー。
って、私はいつも書いている最中に色々な人の顔が浮かんで論点がずれていくのですが、まあ、いつものこととお許しくださいまし。ということで、関係者さまさま、今日、私はそんなことを思っています。