経験なくして知見なし

先日、タクシーに乗っていたときのこと。
私は道に詳しくないので、タクシーの運転手さんに行き先を告げて、シートに寄っかかった。少し、体調が悪かったのだ。

タクシーの運転手さんが言う。
「ここに行くのに、ナビはこうやって行けと言っているけれども、僕の経験ではこっちの方が早いと思うから、こう行ってもいいですか」

確かに、私のGoogleMapも、ナビと同じ道を表示しており、目的地に的地に11分で到着すると書いていた。11分で到着すれば、待ち合わせの時間に余裕がある。運転手さんの方が早いのであれば、もっと余裕があるだろう。
では、それでお願いします。と、了承した。

「さすが、経験値ですね」という話をした。「そうなんですよ、機械はどうしても最後の最後で人間にはかないませんね」と運転手さんが返した。

「最近の人はみんなナビに頼るでしょ。でも、最後は人間の力だよね」と、続ける運転手さん。

「とはいえ、全員がナビに頼っていたら、どっちの道に行った方が早いかなど考えなくなって、人間の経験は知見にならないのではないでしょうか」と、ふと思ったことを口に出してしまった。「知見がないのに、最後は人間の方が上だねと言うことはできなくなるのではないでしょうか」

「確かに。お客さん、面白い視点を持っているね」と褒められた。(多分。層受け取ることにする)

「確かに、ナビに頼って考えなくなったら、人間の方が最後に機転が利くなんて事は言えなくなるかも・・・困ったな」と運転手さんが言う。

そんなことを話しているうちに、目的地に着いた。

御礼を言って降りた。

25分かかってた。遅刻した。