「これくらいできるわよー」
随分前から通っているIさん(76歳)
インターネットが「全然解らない」と1年前に仰って、ひたすら1年インターネットを「勉強」した。
画面構成が変わると「前と同じページにならない」
検索順位が変わると「前と同じ番号のところにめざすものがない」
買い物講習に出ると、買い物の仕方を全て書き取る。だから、応用が利かない。
練習と称して蟹を買う。でも、他の所はわからない。
昨日、久しぶりにIさんがいらした。
「怪我しちゃってね」
「ところで、最近私、インターネットがなんとなく解ってきた気がするの」
「やりましたね!」と喜ぶスタッフ
「まあたいしたことじゃないのよ、でも、この間、椿山荘の夜桜パーティ申し込めたのよ、インターネットで。まあ、あれくらいはできるかな」
私たちは、彼女が「あれくらい」と仰ったことに驚いた。
そう、いつもいつも驚くのだが、自分の思う通りに動いたサイトは「あれくらいはできるわよ」、思う通りに行かないサイトは「ちょっと難しくてね、途中でこんがらがってできなくなっちゃったの。やっぱりインターネットって難しいわよね」
つまり、シニア層にとってサイトには2種類しかない。「あれくらいできる=スキルが高くなくてもできる」ウェブサイトと「スキルが高くないとできない高級サイト」
スキルが高くなくてもできるさいとは、つかえるサイトとして「優しい」などの評価をもらい、スキルが高くないとできない、要は自分じゃできないと思ったサイトは「難しくて若者向け」と思ってしまう。
これくらい、できるわよ!のサイトしか、今後はシニア層に受け入れられなくなるのでしょうねー。