誰もが歳をとる。
弊社では新宿区のIT講習会を受託している。比較的年齢が高い人が集まるときもあれば、20歳代だけが集まることもある。
同じ「パソコン初心者講座」でも30歳代、40歳代と60歳代は全く違う。
同じ講座に年齢差が合った場合は、若い人用に練習問題を別に用意しておかなくてはいけないくらい、同じスキルで来ても、学べる範囲は全く違う。(区の講習は団体授業、弊社の教室は個別指導なので、補完しあっている)
年齢差がある講習だったときに、弊社講師に「いやあ、大変そうだねえ」と人事の様に声をかけたら「画面の見ている場所が違うんですよね。さっきやったことと、今やったことの連携もつきにくいし・・・同じくらいの年齢層ならやりやすいんですけどねえ・・・」とボソッ。
今の40歳代が60歳代になった時にパソコンで困ることはないんじゃないか、とよく人に聞かれるが、画面がワイドになって、動作が速くなったら、きっと今の40歳代も60歳代らしい行動をするだろう。
きっと、アルバイトの女の子に聞くんだ。「ね、それはどこを押したら出てきたの?」
「昨日も、同じ質問でしたよねー」
ひゃ~(><)
そんなこと想像しただけで枕が涙でびしょびしょだい。
「かおりちゃん(仮)、ひどいなあ、そんなこと言わないで教えてよ。ぐひぐひ」と同い年の「おっさん」が笑う。
かおりちゃん(仮)は冷たい目で言うんだ、きっと。「ただし、イケメンに限るんっすけど」
ひゃ~(><)
ところで、こんなの発見
ためしてガッテン
(1)予期できない出来事が起きると、中高年の方は反応時間がとても遅くなってしまう。
(2)一方で、予期できる時の反応速度はそれほど落ちていないため「予期できない時には遅い」ことに日ごろ気づいていない。
年をとると反応速度が落ちていくことを自覚することも大切なのです。
つまり、そういうことなんですよ。
歳をとると、画面の遷移についていけなかったり、早いフラッシュに混乱したりする。
画面のあらゆるところで、色々なことを主張してしまうと、どこに行けばいいのか解らなくなるし、ボタンの裏に御宝とか埋蔵金とか隠れているとかは思えなくなる。
プルダウンとかで瞬間見えたかもしれないメニューは記憶に残らない。
いや、見えてないのかもしれない。
クリックしてメニューが展開されたことに気づかない。
もう一度クリックして、変わらないなあと呟く。
そう、歳をとったら、今のウェブサイトって結構つらいことも多いんですよ。
ところが、歳をとったら「今の状態が普通」だと思っているから、出来ていないことに気づかない。瞬間メニューなどは目にも留まらぬ早業で投げる手裏剣ストライクなので、「存在にすら気づかない」
それって、寝ているときに、小人が出てこないことを証明できないのと同じ感じで。
5月から新人スタッフが活躍し始め、彼らは彼らなりに色々な発見を私に教えてくれる。
「僕が言っても、指差しても気づかないことって多いんですね!」
「歳をとるって、こういうことなんですね!」
「今日はこんなことがありました!」
誰もが歳をとる。が、歳をとっている進行中はなかなか歳をとっていることを気づかない。
だから、自分たちが歳をとったときのことを考えて、年寄りにも優しいウェブサイトが増えればいいなあと、日々思っている。そうしたら、脳内かおりちゃんにいぢめられないで済むから。