パソコンという雲の中

大変ご無沙汰しております。
なんだかバタバタしておりまして、書きたいことが溜まっていたのに、なんだか書けない状態(次々と起こるためになにから書けばいいのか分からない状態)になっておりました。
さて、今日はここ1ヶ月の中で比較的大きなイベントだった「新宿区民のためのパソコン買い方講座。」
50名の定員に100名近くお申し込みいただき、60名の方々にご出席いただきました!。(そもそもの定員が謎)
昨年も同様の内容の講座をしたのですが、質疑応答30分、まるっとおじさまに取られてしまったので、今回は学習!先に質問項目をアンケートとしてとり、それに回答していくようにしました。
題名はパソコンの買い方講座なのですが、どうも「どこまでがパソコンなのか」ということが判別しない様子。
メインの受講生は「買い替え」の方だったのですが、プロバイダに質問が集中・・・なぜ?
最初に配布したアンケート用紙に「今日聞きたいことをご記入ください」ということを書いてみた。
すると、書かれた内容は「現在使っているパソコンのメーカーを変えた場合、その手続き方法は」だったり、「言葉が難しいのはなぜですか」など、ちょっと本質すぎて答えようがないものだったり、「ワープロのほうがよかった」と愚痴が書いてあったり(だから、なぜ。)「パソコンを変えたらインターネットはどうなるんですか」などなど。
質問項目を並べてみてみると、そこから感じるのは「利用時の不安」。
なんとなく、使ってはいるけど、なんとなく、雲の中。
で、雲の中なので、毎日手探り状態で、
[はい][いいえ][キャンセル]
と決断を迫られると涙目になる。
何をしたらそれが出てきたのか解らないのに、突然迫られても。というのが利用者の本音。
#ちなみに、アンケート用紙には
「はい」「いいえ」「キャンセル」とだけ書かれたものもあり、何か危ういものを受け取ってしまった気になりました。でも、たぶん、そんな感じなんでしょう。
インターネットでお買い物も「雲の中」
なのに、制作者は自分の都合で自分ワードを突き付けてくる。
「これくらい解るよね?」
そして思わず、閉じるボタン。
その位「なんとなく」の状態で迫られるとすごく怖い。
自分の理解の範囲にいる訳ではないので、恐る恐る使っている感じ。
「使えるんだけどね、仕組みはわかっていない」
その仕組みという言葉は何を指すのかイマイチ全く分からないが、「仕組みが解らない」
帰り際に質問にいらしたおじさまは最近パソコンを買ったそうだ。100円のものを。で、イーモバイルに入ったのだが、イーモバイルの使い方が解らない。「イーモバイルを教えてもらえますか」・・・どうやって?何を。
接続の仕組みを簡単に説明するも、腑に落ちてくれない。
「どういうことで困ってますかね」
「イーモバイルだから悪いんだと思うんだけど。」
と、前置きがあったうえで
「市議のページを見ようとしたら何かが出てきて、同意・同意しないを迫られるんだよね。全部読んだけど、なんか怖くなって、キャンセルしたんだよ」
「なるほど」
「日にちを開けてまた見ようとしたら、また同意を求められるんだよね」
(そりゃそうだ)
「それって、イーモバイルが悪いんじゃないかと思う」
・・・。
(たぶん、PDF)
解らない、雲の中ってこんな感じ。
原因が解らなくて、違うものに押しつけたくなる。
ウェブ制作者も、ソフト制作者も、もっともっとユーザー視点を体の中に組み込んでいければいいなあと思う。
楽しいとか、不安とかの気持ちを、共感できるとは全く思っていないし、自分も共感できる気はしないが、「自分とは違う気持を持っている」「自分の理解できない不安を抱えている」と認識するだけでも、大きくウェブサイトやソフトやサービスは変ってくると思う。
ユーザー視点は、今のところ、なんだか「まーた偉そうなこと言って!」という感じになりがちだが、もっともっと「ユーザー視点!」ということが庶民的であってほしいなあ、と思う。
相手を支配下に入れるんじゃなくて、相手を尊重して、自分とは違う人間なんだと認識して、お互い、助け合うというか、お互いを思いやる何かって、すごい重要だと思う。難しいけど。