「ややこしい」
「ややこしいわね」とJさんが仰る。
ウェブサイトを見て「ややこしい」と感じた瞬間に考えることを放棄し、目が注を浮く。
そういうシニア層の姿をよく見る。
「ややこしい」ってなんだろう?
手順の多さも含まれるだろうし、手順の複雑さも含まれるだろう。
例えば変化があった事を確認しなくてはいけないのに、それが確認できなくてもう一度その操作をしてしまう。「画面変わっていますよね」というのは強者の理論であり、変化に気づかなかった場合「ややこしい」と考えてしまう。
例えば概念をきちんと理解していれば直ぐに理解できる話なのに、多くの場合「基礎」を嫌う。そのために概念が解らないまま進むことになり、得てして大周りになる。大周りになると「ややこしい」と感じる。
最初はクリック数が「ややこしい」と感じさせる原因なのかと仮説を立て、実際に操作を見ながらどのタイミングで「ややこしー!」と呟くのかを観察した。
しかし、どうもクリック数じゃないようだクリック数が多くても進むだけなら問題ない。たしかに「面倒くさい」とは思うが「ややこしい」と投げる原因にはならない。
何をもって「ややこしい」と思うのだろうか。
色々見ていると、どうも「決断を迫られるとき」に「ややこしい」と感じるようだ。確かに実生活でもそうかもしれない。普通に一緒にいるには問題ないのに「どっちなのよ」と迫られた瞬間に「面倒くさいなぁ」と考えを放棄する。
考えを放棄するあとにくるものは、安易な答えを求めるか、操作を破棄することである。だって、考えないほうが楽ですもの。
ややこしいと言われないサイト、どこをクリックすれば言いか明確で、きちんと言葉がわかり易くて。
そんな当たり前なことみたいな事を、多くのサイトはまだできていないし、あいも変わらず「ややこしいなぁ」の一言で右上の閉じるボタンにマウスが向かってしまうのである。もちろん、ショッピングの場合には「ややこしいなぁ」で「やっぱりインターネットで買い物って面倒だ」と言わせてしまう。もったいない話ですね。