私とあなたは見えているものが違う

10月 18, 2017

昔の話。
とても素敵な男性がいた。
遠くから見てカッコイイナーって観察していた。
ある日、近くで話す機会があり
ニコッと爽やかに笑った彼の笑顔に私は釘付けになった。
歯石がひどかった。
思わず、見たくないが、見入ってしまった。
惚れている女の子なら、彼の眼を見てうっとりするとこだろうが
彼の歯石から目が離れない。
いや、本当は離したい。
彼の笑顔全体が見たい。
が、口元に釘付けになった。
見るべきところはそこじゃない。
私は目をそらしながら、適当に相槌を打って去って行った。
「俺に惚れてるのかな。だから、まっすぐ目を見れないのか」
と、彼は思ったかもしれない。(知る由もない。覚えてもないだろうし)
私は2つの教訓を得た。
1)憧れの人は、遠くから見ること。よき人は、遠くにありて思うもの
2)きゃぴきゃぴした雑誌には、
女性は男性の手を見るとか、目を見るとかいろいろ書いてあるけども、
気になるものにはくぎ付けになってしまい、そのほかのことに目が届かなくなる
ということだった。
実は、サイトでも同じなのである。
一般的にZ型だの、F型だの言われても、
そのサイトに「何か」があれば、目が釘付けになる。
しかし、その「何か」はサイト制作者にとって自然過ぎて
相手がそんなところを見ているとは、まったく気づかないのである。
下記動画、ご覧ください。
(協力感謝:販促・宣伝・ノベルティ・粗品用、名入れペンならオープニング(別ウィンドウ)
一般ユーザーは真ん中の青いペンが目立ちすぎて、そこから視線を動かせないでいます。
反対にオーナーさんは、青いペンが普通に見えるので、立ち止まりもしない。

思いもしないところでユーザーは目が留まってしまう。
そう、まさかの、歯石とか。
もう、歯磨きの広告が作れちゃうほどに。
ところで、
弊社のある高田馬場は学生ローンが多いのですが
あまりにも普通にありすぎて気にも留めていませんでした。
空気のように、駅の鉄腕アトムの壁画のように、高田馬場になじんでいました。
しかし、遠方よりいらした方が「高田馬場ってすごい学生ローンの看板が多くて異質」
とおっしゃったのです。
そういわれると、確かに。
確かに、そういえば、
ほかの駅ではそんな看板を見ない。
あああ、日常って怖い。
当たり前って思っていることって怖い。
高田馬場の駅に学生が転がっていても
「春が来たんだな」くらいにしか思っていないのに
ほかの地域から人が来るととても驚かれる。
電柱に人がとまっていても
「ん、今日は早慶戦か?」としか思わないですが
ほかの地域からいらした人は警察に通報するレベル。
高田馬場に染まりすぎている私に絶望した!
お銀座とかに染まれる女子wになりたい!
丸の内OLとかに染まりたい。
今の私じゃ顔が丸いOL(OLでもない!)
ということで、
ずいぶん長い前置きですが、
自分が見えていないものを、ユーザーは気になる。
そして、オーナーは、制作者は、それに気づかない。
気になることは、
オーナーにとっては風景になっているような普通のことで
相手にはちょっと引っかかるようなこと。
それを知るためには、ユーザーを観察するしかわからない。
と、思う。