「簡単!」
簡単、サルでも出来る、猫でも出来る、私でも出来る。
そんな言葉が世の中に並ぶ。
しかし、その「簡単」は誰の基準で簡単なの?
「すぐに使える」って、誰の基準で使えるの?
「ずいぶん簡単になりましたよね」といわれても、簡単なものしか知らない人には難しいのだ。ということを、解っている人は重々承知しなくちゃいけない。「解ってます」というひとも、もう一度解らない人の近くに寄って、何もいわずにその人を見つめてほしい。どのくらい解っていないかが解るだろう。(もちろん、あなたがわかっていることが前提ですけどね。)
シニア層が一番悩むのはファイルとフォルダの概念。これは元インストラクターをやっていた人も、全員が口をそろえる。若者にとっては「えー、そんなこと」と思うかもしれないが、どっこいこれが「超ー難しいっ」(女子高生風に)
今日、フォルダとファイルにまったく問題がない”若者”とお話していたのですが「何で解らないんですかね」「実体がないからじゃないですかね」「信じられないですね・・・」
「このくらい解るよね」という甘えは、神田川の鯉にえさとしてあげちゃいましょう。
あなたのサービスは、きちんとユーザーの視点ですか?
このくらい出来るでしょ、これは簡単でしょ、って「あなたの視点」で決めてませんか?
ちなみに「シニア層だけでしょ」と言われることについて。
うちではインストラクター採用の面接をよくしているが、「インストラクター検定持ってます」と言う人に「今利用しているOSはなんですか?」と聞くと「NECです!」って答えちゃうアイタタタな人もいる。でも、インストラクターになりたいくらいだっていうんだから、少しはパソコンに詳しいんじゃないのかと思いつつ突っ込むと、資格のための勉強はしているが、まったく使い物になるようなパソコンの知識を持っていない。初心者なら許せるけど、インストラクター志望ですよ。光ファイバーとADSLとダイヤルアップの違いについて説明してくださいと言うと「僕、そういうの詳しくないんです」そういうのって。りんごがまるごと入るぐらい口が開いちゃう。あんぐり。解っているからインストラクターに応募するんでしょうが、解っていると思っている人がそうなんだから、一般的なIT業界にいない、そういう分野で仕事をしていない「解っていない」人は推して知るべし。解る人が偉いんじゃなくて、解らない人の気持ちを感じよう、ということと、若くてもわからないものは解らない。私は若いが、携帯の使い方が解らない。