ユーザーの当たり前を観察する

10月 18, 2017

生きていると、いろいろな「当たり前」が蓄積する。
たとえば、私は、Googleの検索結果の上位に出ているものが広告だと知っている。
当然のごとく、広告だと思っている。
そして、その広告の裏には、広告主がお金を払っているという事実も当たり前だと思っているし、広告主だってクリック率を高めるために頑張っているのだから、そこに情報がありそうならクリックしてもいいと思っている。
先日、普通に使っている方が「これはなぜ色がついているのか、重要だからか」と聞いてきた。
「広告です」と答えると「じゃあ、クリックしちゃダメってこと?」と聞いてきた。
ちょっと混乱した。
なぜ「広告」=クリックしちゃダメなのか。
広告と書いてあるのに、どうして「重要なもの」と認識したのか。
Googleの右側に出ているものはなんだと思っているのか?
慣れている人にとっての「そりゃー、広告だよね!」という「当たり前」は
一般ユーザーとかい離していたりすることもある。
これ以外にも、普通にしか使っていない友人の会話は、私の周りの所謂ネット民wの認識とは違うことが多い。
あ、そういう風に思ってたんだ、そう解釈してたんだ、ということに驚かされるとともに、自分がとても業界(笑)にどっぷり浸かっているんだなあということがよくわかる。
反対に、自分のよくわからない業界については全く解らない。
それが常識なんだよ、と言われても、その常識の手前から解らない。
えー。それを常識と言われてもぉ。。。と思うこともある。
あー、その気持ちわかるぅと、言葉上共感する女性は多いが
そんなのウソだと思う。お互いは、なかなか、解りあえない。
だから、お互い、わかっていないということを認識して
お互いをわかる努力をするように心がけるのが
サービス、なんだと思う。
先日ガイアの夜明けを見ていて
「消費者を科学せよ!~客を呼ぶ秘密は”行動観察”」

とある企業のベテランさんが、行動観察の結果からくる改善点に対して「それは今までにない」「そんなことをしたら回転が悪くなる」など仰っていたのですが、実際、その提案通りに実施して改善したという話。
ちょっとした手に取りやすさで、さりげなく売り上げが伸びていく。
お客様も大して手に取りやすさに気づかない。
聞かれると「これがあるといいっすよね」と答える程度。
「あるべきだと思ったんっすよー」という人はいなかった。
お客様にアンケートで聞いても、その案は出てこない。お客様は気づいていない。
じゃ、仲間内で相談すればいいのかというと、自分の仲間内で話していても、それは、同じようなクラスタの「常識」から出られずに、お客様のそばに立っていないことがある。
お客様に提案する場合
自分たちの「当たり前」を基準に考えるんじゃなくて
お客様の「当たり前」を観察して、理解しようとして、提案する必要があるんだなあと
改めて思った。
って、なんでこんなことを思ったかというと
定額小為替が必要になり、郵便局に行って申込用紙を書いた。
が、値段のところの書き方を間違ってしまった。
それを指摘して下った郵便局員さん。
「ここにあるじゃないですか。(なんで気づかないの?)」と。
かなりの老化が始まったのかもとショックを受けると同時に
ああ、初めての人の「ないだろうな」と思ってみる申込書と
毎日見慣れていて「当たり前だよ」と思っているところに
たぶん、大きな差があるんだろうな、と思ったから。
私も知らないうちに、慣習とか、当たり前が溜まっているんだろう
それに惑わされず、より活かせるように、気を引き締めよう、と思った。