一見は百聞に。
現在、当社に某社の技術者様たちが研修にいらしている。
普通のパソコンとかの研修ではない。
「ユーザーさんがどのようにパソコン、インターネットを使っているか」を実感するための研修である。
一見は百聞に如かず、というか、「事件は現場で起きてるんだ!」というか、「シニア層はパソコンが苦手です」というのは簡単であるが、「どのような点で苦手である」「どのような点で難しいと思っている」というのは現場にいないと解らない事なのだ。これだけははっきりいえる。
今日はNさんが授業に挑戦、インターネットをほとんどしたことがない人にインターネットを触らせて、今後どのように作っていったら良いかを考えるためのきっかけにするのである。
「まず、検索エンジンで好きな事を入れて見ましょうか」とNさんがいう。これはできる人のよくやる間違いである。
→はじめての人は、「インターネットで何が出るか解らない」のである。だから「どういう言葉を入れればいいのか解らない」
「別ウィンドウが開きましたね」これも、解る人が言う言葉である。
→別ウィンドウってなによ、なのである。なによ。「あらやだ」とTさんが笑う。でも、多分その笑みの後ろは「意味解らないからとにかく笑っちゃえ」なのである。
言葉が通じないので思わずマウスに手が伸びる。言葉が通じなくて大変そうである。
ちなみに、Nさん、非常に優秀で、教えるのも結構好きです、という心の優しい方である。(ちなみに私は教えるのが余り好きではないので、なぜ彼らが覚えないのか、どうやったら(私が楽して)覚えてくれるのかをいつも考えてしまうのだ)
「そこをクリックしてください」とNさん。
「???」という顔をするYさん。「どこ?」
「その、文字のところ」
そう、指マークになる=クリックする、というのはかなり考えなくてはできない。
運転と一緒なのだ。右にハンドルを回せば右に車が曲がる。それを理解するまで、ちょっと時間がかかるように(私だけ?)どうすればどうなるのかはまだ想像がつきにくい。
新しい用語は車のバックみたいなものだ。私など、自慢じゃないが、いまだにどちらにハンドルを切ればどちらに車体が曲がるのか、かなり考えないとできない。自分が鷹になった気分で車体を上から見ているようにして、くのじに曲がるのよーとつぶやきながら、バックする。どうでもいいですが(笑)
Nさんとランチを食べたときに「きっと、クリックとダブルクリックの違い、聞かれますよー」と言っていたら、実際聞かれた。別にYさんと打ち合わせしていたわけではない(笑)。
初心者をデータとして知っていることと、初心者の困っている点を”感じること”は全く違う。
「うーん、思っている以上だ・・・」とつぶやくNさん。「実際に見てみると全然違いますね」
それが、重要なのだ。
シニア層とインターネット。
シニア向けサイトでなくても、シニア層が使う可能性があるサイトなら、是非、一度シニア層のインターネット利用実態を体験&体感していただきたいものである。