私が初心者だった頃

私がパソコンを始めたのは1996年。
その頃はワープロを主に使っていて、パソコンはゲーム専用機だった。(親のお下がり)
パソコン教室にも通った事が会ったが3日で頓挫。(情けない)
なぜって?
「ショートカット」という言葉が解らなかったからだ。
#未だにこの言葉にはものすごくトラウマがあるのですが。
以下トラウマ物語。
デスクトップに出ていた「ショートカット」なるものを間違えて増やしすぎた。増やしすぎて背中から汗が出る。なんで増えているのか解らないが、とにかく何かをして,何かをすると増える。
「増やしすぎた・・・どうしよう」そう思いながら、目の前にあったゴミ箱とやらに突っ込んでみた。
うわ、ゴミ箱が入ってるマークになっちゃった。どうしよう。あ、ゴミ箱偶然右クリックしたら空にするってでてきた。空にしてしまえ。そして、逃げてしまえ。壊したかも知れない。明日からいけない・・・・・・・。で、パソコン教室を辞めた。罪悪感とともに。


人様に迷惑を掛けるのが嫌なので、自分のパソコンを買ったのが8月。
仲良しの先輩に「どんなのを買ったらいいですかね」と相談したら「そりゃぁ、学校と同じのを買うべきだ。」と。
元々機械は好きだったので、それから暇を見て触る(ゲームをする)ようになった。
そのうちに、パソコン好きな友人ができ、「は?そんな事も解らないの?」と虐められながら、気付いたら周りの人よりも「パソコンに詳しい」人になっており、パソコンでアルバイトをするようになり、ネットベンチャーに入った。
ISDNを我が家に引いた時、意味がわからなくてずっとアナログ回線でつないでいた。
友人が家に来た時に「ばかじゃないの?最近のISDNはアナログでやるわけ?」と冷たく言い放ち、(直してくれたわけだが)悔しさの余り必死に勉強した。でも、「勉強して理解する」ものではなく、とにかくいじって、そして使う物だと体で覚えた。
当時はウィルスにひっかかったら、もしかして、それは達人の域に達したと言う事になるんじゃないかとウィルスバスターを買ってきて入れて、「ウィルスは発見されませんでした」と言われた時のショック。ああ、まだ達人の意気に達していない・・・・ガックシ。と。
初心者はヘンな所で背伸びをしようとするのだ。
友人は立派なパソコンオタクだったので、私をよく秋葉原に連れて行ってくれた。(ついていった。)
色々パソコンやなんやら(何を言っているんだか全く解らなかった)について語るが、私の頭が鉄板のようにその言葉を跳ね返す。「で、なんなわけ?それは一体なんなわけ?」一生懸命聞こうとしても、宇宙人としゃべっているようだ。
「いいたい事は解る。でも、まったく、私の頭の中で理解できない。言っていることを復唱する事も出来る。でも、それがなに?なんでそうなるの?それってどういうことなの?」
「解る人には、解らない人の気持ちなんてわかんないよ!」
今、多分、初心者・シニア層は同じ気持ちを抱えているのだと思う。
「恐い」「理解できない」「いくら、説明されても、それがどのように作用するのか想像付かない」「壊れるかも知れない」
「私だけが特別に理解できないのかも知れない」という孤独感(チョッとオオゲサ?)
誰しも最初は初心者だったわけで、いつまでも、この背中に汗の体験を忘れちゃいけないなと思う今日この頃。
それは物を作る人も、キャッチコピーを書く人も、人に説明する人も。
解らない、というのは、ヒンズー語も解らないのに、英語を理解しない北インドの山奥に行ってしまったようなものだ。(これも実体験ですが(爆笑)
「やってみればいいじゃん」というのは簡単。でも、そのやるという行為に、どれほどの勇気がいる、というのが初心者なのだ。