団塊世代のウェブ操作とシルバー層の違い

正直、団塊の世代と、68歳のウェブ操作は違う。
「慣れの問題もあるよね」と人は言うが、そんなこともない。
一つのものを見て、ああもできるね、こうもできるかも、前もこうやったけど?と出るのが50歳代、「え、もうそんなに覚えられないよ」と嘆きだすのが68~75歳。75歳からは意外と分かれる。やはり昭和ヒトケタの壁だろうか。人によっては「もっと単純に、ぼく、パソコンで仕事するわけじゃないもん」という人もあれば「もっと、もっと応用なことやりたい。覚えられないけど、学ぶって楽しいよね」とおしゃべりするだけで胸キュンな人もいる。
さて、今日朝78歳になるSさんがいらした。
73歳からうちに通い始めている。5回目の年賀状シーズンである。
ところが、今年は、確実に頭が固くなっている。去年できていたことが、考えられなくなっている。
「3分間クッキングのような操作」が入ってしまった瞬間に発狂に近いような嘆き声を上げるのである。「勘弁してよ、もう、ぜんぜんわかんない・・・」


3分間クッキングのような操作、
それは、料理の途中に「じゃあコレは用意しているとして」と別の皿を持ってくるような、そういうやり方である。
ウェブサイトもソフトも、順番にやるのではなくて、ショートカットであったり、アイコンであったりで「流れで操作を覚えられない」。「らくだよね」は、覚えられる若者のせりふであり、年をとると覚えることができなくなる。
「くしゃみすると忘れちゃうのよ!」と某女史が笑う。
「あらあ、あなた、くしゃみ?私3歩!」と某女史が応酬する。
「あなた方は3歩ですか。私は聞いた端からですよ」とダンディーが返す。
・・・教える身にもなって・・・。
と思いつつ、「団塊世代=58歳とかのウェブ操作といわゆる70歳前後のシルバー層、ハイパーシルバー層のウェブ操作は違う。」
団塊世代を見ると「わあ、若い!」と思う。間違っても戻れる、でも、いくら年数が長くても、年をとれば取るほど、自分ができることがどんどん少なくなってきてしまう。
私がPC教室に絡み始めて5年経つ。立ち上げてからずっと通ってくださる方が多い中、最近、5年間の年の重みを感じる。前はそんな質問がなかったのに、出てくる質問とか。それがここのところ切ない原因なのかもしれない。
団塊世代は若くてノリが軽くて、若い。しかし、あきらめやすいのが難点なので、できれば簡単な操作を提供するのが良い。
シルバー層は、まだ絶対数が少ないからここにターゲットがフォーカスされることは少ないかもしれませんが、理屈が通って、筋が通って、今来た道を辿れる、そういうウェブサイトが必要なんだと思う。多少の遠回りも、筋さえ通ってれば苦じゃない。それは彼らのとるメモを見て思う。