パソコンの概念

10月 18, 2017

弊社が運営するパソコン教室には1日50名の生徒さんが以上いらっしゃる日が2週間続いており、スタッフの間には疲労感が漂っていたのですが、今週になってようやく落ち着いてきました。
1年にこの時期しか通わない方もいらっしゃいます。(弊社はそれでもOKなので)
その方たちの雰囲気に押されて最近入った方も、我も我もと「年賀状!」「年賀状!」
筆系ソフト(筆まめ、筆ぐるめ、筆王)を初心者の方に触っていただいたのですが、全くの初心者には「簡単」ソフトも歯が立たず、予想を上回る「使えない」状況に、いろいろ感慨深いこともありました。
若い方だと、チョットいじってみよう、と恐怖心なく操作をする。
ご高齢になればなるほど、「壊れたらどうしよう」「訳わからないメッセージが出てきたら怖いからいやだ」と恐怖心が強くなり、次の操作へ進めない。
「ここをクリックしてくださいね」といっても、その次に何が出てくるかイメージが出来なければ前に進みたくない。
「とりあえず、ここを、後生ですから、クリックしてください」とスタッフが哀願する(笑)
「だって、さっきも次へをクリックしたのに、どうしてもう一度クリックをしなくちゃいけないの?クリックの仕方が悪かったの?」
「このクリックは、さっきのクリックと違うんです!」
(嗚呼、お願い、先に進んで!)
先日、TRANSのaratako0さんが東京にいらしたときに、少し呑みながら「シニア層はパソコンの概念を理解してないよね。」という話で盛り上がった。
大枠を捉えていないから、全体的な流れをつかめない。
流れをつかめないから、目の前の一歩しか見えない。
とりあえず、目の前のことをするのに精いっぱいなので、他の事にも応用できると思わない。
パソコンの概念や大枠がつかめれば、なんとなくパソコンがいじれる。
最初から大枠をつかむのは難しいから、何度も色々なことをしているうちに、なんとなく解って、そして、ある日道が開ける。なのに、そこまではなかなかいけない。(いけないから、弊社が成り立ってるんだろうが)
難しいなあ。
パソコンは家電になれるんだろうか?
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今、個人的に数学塾を開催していて、月に1回大学生が教えに来てくれている。2次関数とか、logとか、領域とか、確率とか、思い出して懐かしくて難しくて楽しい。
習った考え方を組み合わせれば出来る問題も、目の前の文字に翻弄される。本当は、もっとシンプルで、その文章題が言いたいことを把握すれば、とても簡単なのに。(文系数学だし)
数学を解きながら、生徒さんの気分を味わう。目の前の文字にいっぱいいっぱいで、もっとシンプルに考えられない。
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生徒さんにSさんという人がいる。定年退職して、再就職後から3年通っている。
再就職後にパソコンが使えるというので、異例の出世をしているという。
その人と話した。
「うちの課ではさ、みんな自己流なんだよね。自分は出来ると思っている。だけど、後ろから見ていて、「仕事遅いな」とかって思うわけ。僕はもう年だから、覚えは悪いけど、地道にやったから、他の人より仕事が早いんだよね。基礎が分かっているから応用もきくし。」
地道は最大の武器。学問に王道なし。
とはいえ、地道とエンターテイメントはちょっと相反することもある。(地道を楽しめるのは一種の才能。)
学ぶ、ということについていろいろ考えさせられる日々です。