ユーザー視点
高齢者対応、と言う言葉が聞かれる。もっともらしく、多くの人がウェブサイトの高齢化対応について語る。
それはそれでいいことだ。
しかし、なんだかしっくりこない。
使えている高齢者は使えないことについてとうとうと語り、現場を見ていない製作者が高齢者とウェブユーザビリティについて語る。語るのはいいことである。どんどん啓蒙していただきたい。
多くのウェブサイト担当者が「うちのページは高齢者対応してます」という。「文字が大きくなります」と仰る。
でも、実際に高齢者を使っているのを見ているのだろうか?と謎に思う。うちの高齢者が特別なのかもしれないが。
もちろん、その心意気は嬉しい。一つでも多くのサイトを質問無く見て欲しい。どこをクリックすればいいの?という電話が業務に支障をきたすこともあるのだから、そういうサイトは極力減らして欲しい。
でも、なんか、しっくりこない。
なんだろう、ってずっと考えていた。なんで、しっくりこないんだろう。
ユーザーテストに入り、某企業のウェブサイトを見ていて、ウェブをかなり使いこなしている62のN兄さんが言った。
「このホームページさ、なに言ってんだかぜーんぜんわかんないよね。」
その人一人じゃない。同じ意見を数名が言う。「っていうか、見る気しなくなるよね」
今日、レビューを書いていて、気づいたのは「あ、この会社、ユーザーを全く見てないんだ」ということが解ってしまった。そして、すごい悲しかった。
「つーか、うちのページ見にきてんだろ?オレのことくらい、研究してこいよな」って聞こえた。
ある一つのやり方として、それはありだと思う。近くのラーメンやさんは、「気が向かない時はつくんねぇ」と言っているらしい。うん、原点回帰かも。例えば、コンサートに行ったときに、その歌っている人の歌を1個も知らないのは確かに失礼だ。マナー違反だろう。私も友達を巨人戦に連れて行ったときにジャビット君を見て「なにあれ」といわれたときは思わず手にもっていたジャビット風船(と言うのが昔あった。)で上からグーで殴ってみた。失礼な。
でも、それってお互い好き★の団結力を冷ますから、「マナー違反」って言われちゃうんだろう。
しかしだ。
果たして、その企業はそれでいいのか?きちんとファンとの温度差を感じているのか?口先だけで「私はファンが大好きっ」って言っているアイドルと同じじゃないか?3年で消えちゃうアイドルと一緒でいいのか?
そう、昔ほおむぺえじが日本に上陸した時、みんな welcome to my homepage ってほーむぺーじに書いてあった。でも、ウェルカムかどうかって、入った瞬間に大体解る。3秒で恋に落ちるのと同じくらい、入って3秒で、私はこのサイトに愛されるかどうかって解る。私と同じ視点で、見てくれてるって解る。
かっこいいは3日で飽きるらしい。(推定伝聞)やはり大切なのは性格よね、と人は言う。(推定伝聞)
ウェブサイトにも同じことが言えると思う。
きちんと、ユーザーの声、伝わってますか?