想像力と数百円

タイトルは想像力と数百円、宮沢りえさんが出ていた新潮文庫の昔の広告。この広告で一挙に新潮文庫のファンになった。美しい広告でした。(ぱんだも好きですが、最近の新潮パンダ、かわいくないですよね。)
さて、そんなことはおいておいて、シニア・シルバー層の話。
「僕は若い」「ボクは頭が柔らかい」「私は常に若者と一緒にいる」
「若いこと話して頭をやわらかくする」
そう、年をとると頭が固くなる。
頭が段々固くなる、その固さに線引きはできない。
「そんなことはないよ」とは言えども、頭が固くなっていくのは否めない。私ですら、今、中学生と遊ぶと、自分の頭が固くなっているのを感じるのであるから、それが50歳、60歳になったら。僕は違う、僕は違う、私は違うと念仏のように唱えながら、「本当ですよね」と周りのバックアップを受けながら、「本当の若者は、自分が若い事を主張しない よって若さを主張すること自体が老化現象である」というジレンマを常に抱えているのである。
頭が固くなるとどういうことが起きるのか。
記憶力が悪くなる、とかそういうものじゃなく、実は想像力が減退していく。
もちろん、経験を積んだからこそ出てくる発想もあるが、ああ、こんなこともできる、あんなこともできる、という力が減っていく。これはほんと。人は、気づかないうちに、頭が固くなる。
  #頭皮じゃないですよ。


頭が固くなる、ということ、何が問題と言うと、不可視であるのが一番の問題といえましょう。
頭が固いことが見えないのである。
だから、自分で主観で、感じるしかない。
私はまだ大丈夫、念仏のように唱えるしかない。
想像力が減退していることもどうやって測ればいいのか解らない。でも、確実に、そうなる。
とあるヒアリング、
ひたすら欲しい機能などの話をしていて。
「あったら便利、あったら便利」と言う話をしながらふと気になったので「こんなこと、不満に感じない?」と言ってみた。となると「うわあ、そういえば、それってあったらすごい便利だよね、でもそんなこと思いもつかなかった。確かに不満だ」
あったら便利、は時折空想が走る。
私だって、恋人になる人はそりゃぁ理想的なほうがよい。しかし、じゃあその理想が全て叶えられたとき、本当にいいのかとなると、そうでもない気がする。(笑)。幸せとは何か、という哲学的な話ですね。それは呑んだときのヨタ話でとっておくとして、理想はいくらでも語ることができる。現実は、話すだけじゃなくて、きちんと的確に明確に質問をしないと引っ張り出せないな。と思うのである。
だから、アンケートで大枠を診るのも良いけど、生の声で裏づけというのも必要なのである。