ガラパゴス化する人々
だいたい、機械のすべてを使いこなしているのではなく、自分が必要な機能ばかり使い、それで満足しているために、他の機能については忘れてしまう。
それが年をとるともっと大変だ。
まず新しいことが頭に入らない。
前のやり方を使いたい。
少なくとも、前のやり方でやれば、安全なのである。
新しいことを覚えると言うしんどさからも逃げられる。
だから、なかなか新しいもの・ことが自分のものにならない。
そして、自分流の人が増える。
「家ではこうやっているから、教室でも同じようにやりたい」
弊社の運営する教室はノートパソコンの持ち込みが可能なので、ノートを持ち込んでいただければいいが、持ち込めない人は色々悩みが深い。
先日、とあるご婦人(70歳)が言った。
「今日はパソコンを持ち込まなかったけどね、私の使っているファイルはエクセルにあるから大丈夫。」
でた、マイルール。
「でも、パソコン違いますよね」とスタッフが言う。
「今日は教室のパソコンなので、多分、USBメモリとかもっていらして頂かないと、前のファイルがないんですよ」
70歳女子、笑顔で答える
「何言ってんの!大丈夫よ!」
なにが、大丈夫なんだ?!
で、実際エクセルの「最近使ったファイル」には、その方のファイルはない。
「おっかしいなあ、いつもここからやるのに、絶対大丈夫なはずなのに。」
個人のガラパゴス化。
それって、高齢だからなるんじゃなくて、若い頃からの蓄積で、ガラパゴスになって行く。
そしてマイルールが出来る。
ローカルルールとかってレベルじゃない。
マイルールだ。
しかし、徐々にガラパゴス化したので、マイルールが他の所のルールと微妙にずれている事に気づかない。自宅ではそのルールを守れば自分は間違えないので、それが世間もルールだと思う。若いうちからそういう傾向の方もいるが、高齢になって、社会と触れるきっかけがなくなればなくなるほど、マイルールは磨かれる。
エクセルファイルの場所は、ルールと言うほどではないが、自分の決めた場所に入っているべきである。というルールがある。
人間は、ガラパゴス化する。
そこをどう、対応するか。その認識からシニア(高齢者)ビジネスって始まるんだと思う。
で、人はみな老いて行くんだ。自分の未来が、私たちの未来が少しでも明るいと良いな、と思う。
あ、さよなら絶望先生の新刊買うの忘れてた。