エラーもしくは確認メッセージとシニア
教室にかかってくる質問電話の半数は「エラー(もしくは確認)メッセージ」である。シニア層や初心者にパソコンを教えたことがある方なら一度は遭遇したことがある「パソコンに怒られた!」というSOSメッセージFrom人間。
「パソコンは何と言ってますか?」
「よくわかんない」
「読み上げていただかないと、こちらも電話じゃ解らないです」
「インクが切れてます」
「・・・・インクが切れているんですよ・・・」
こんな会話、日常茶飯事である。
落ち着いて画面を読めばいいのに、タスクバーで点滅していたり、黄色く警告が出ているだけで、なんでそんなにパニックになるんだろう?
先日も、メールが通じない、という人がいたのだが、送受信をするとなんかエラーが出るという。「だからキャンセルを押しました」
「だから」じゃなくて、そのエラーの内容を確かめないと!!!
「でも・・・」
「でも、じゃないです。そうでないと、話が前に進まないです」
パソコンに怒られたくないから、余計な事をしない。
パソコンに怒られた瞬間に、キャンセルを押してしまう。
#で、私にふつふつ怒られるんだけども。
別にパソコンは怒っているわけではない。
しかし、確認メッセージやエラーメッセージを読もうとしない。メッセージの非日常性がシニア層を脅かすのだろうか。
エラーや確認表示がどうだったら、シニア層は受け入れられるんだろう?という話を昔、インターン生とよくしていた。萌え系だったり、もう少し言葉が優しかったら、エラーに対して許容できるのだろうか?
シニア層をいろいろ観察すると、エラー(確認画面)が出る予知?があれば、落ち着いて対処できるみたい。パソコンをやって半年くらい経つと「保存しますか?」の画面に対処ができるようになる。(それまでは毎回比較的パニック)
あと、そのエラーに対する対処法が1対1で結びついていればよい。
エラーでパニックになっている人を見ると、どうしてそうなったかを考える前に、これが起きたらどうすればいいか、という直線的な解決法を求めているように見える。先日も(自称)かなり使えるシニアの方から質問を受けて、「そんなに使えるならググればいいのに・・・」と思うのだが、彼は一生懸命マニュアルを読んでいた。マニュアルには載っていないのに。
ふと、思う。
昔から上司の顔色に従ったことをやるように教育されていたら、「正しいことをやりたい」と思っていても、「なぜそれをやるのか」ということまでに考えが回らないのかもしれない、と。パソコン様が怒らないように気を使うけど、パソコン様が怒った?理由は読まない。
何かをやった、できなかった。なんでだろう?じゃなくて、何かをやった、できなかった、おかしいなあ、もう一度試してみよう(以下ループ)やっぱりできないや、この機械は難しいなあ、と思っている人たちはとても多い。
エラーメッセージも工夫すべきところがたくさんある。ウェブ上でも、うまくエラーが発見されないが故に繰り返しユーザーが作業することがある。
エラー表示が項目の近くにないとかも本当はイケナイ。
エラーの内容の可能性を提示しないといけない。
使いやすいウェブサイトとか、使いやすいソフトとか、エラーの出し方如何でずいぶん印象が変わると思うのだが、いまだにパニック量産系のエラーメッセージは多い。
本当は、教室をしている者としては、できれば、もう1歩踏み込んで考えてほしいと思う。でも、そこで「もうやだ!こんな難しいの嫌い!」といわれるのも悲しいから、適宜手を伸ばすようにしているが、時折、それでいいのかなあとも思う。
どうかな、お歳の方にまでそれを要求するのは酷だろうな、でも、せめて70歳くらいまでは、自分のためにも、もう1歩考えられる力をつけてもらえると凄く嬉しいなあ。
でも、定年してから突然そういうことができるわけじゃなくて、年は自然にとるのだから、今からそういう意識を持つようにしておいたほうがいいんだろう。
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ところで、みな、マニュアルは難しいという。
マニュアルも、(一部を除いては)相当使いやすくなっている。
が、マニュアルを読む際の心構えが作る側と、読む側に違いが出てしまう。
すべてのシニア層の話ではないが、もちろん、シニア層だけではなく、若い人にも多いが、とにかく「単純な結果」を機械にもマニュアルにも求めている気がする。
そうか、マニュアルの表紙に「なにか表示が出てきたら、それはパソコンからのメッセージです。一呼吸置いてから笑顔で読みましょう」と書いておけばいいのかな。
表紙を開いたら立体のキャラクターがでてきて(幼稚園の本でよくある)「落ち着いて楽しみましょう」みたいなセリフが付いていたら落ち着くんだろうか(笑)