失敗が出来るかどうか
ご高齢になればなるほど、もしくは、若くても私達が「高齢者気質」と呼んでいるものの一つに、「やるまえに結果を心配しすぎて動けない」というものがある。
例えば、ソフトを買ってくる。
入れる前に、入れる画面にもなっていないのに、どこに入れるのか、何をすればいいのか、どういう画面が出てくるのかなどを心配する。そんなもの、やってみればいいのに、と思う。でもできない。
先に失敗しないことからはじまる。
先日、某社の某氏と打ち合わせをしていて、高齢者が一番落ち込むのは、今まで出来てたことを失敗することらしい。と言う話を聞いた。
高齢者になればなるほど反射神経が衰える。これは紛れもない事実で、例えば、今日、駅のところで転んでしまった高齢者に会った。小さな段差に気づかず、そのままひざから倒れてしまったらしい。助けながら、若者なら、その瞬間にもう一本の足が出るんだな、と思った。高齢者は、その反射神経が衰えてくる。
ウェブを見ていてもそうだ。
ワカモノは、クリックして違うところが出ると「あー、間違った!」となるが、シニア層は「失敗しちゃった・・・」となる。判断が鈍くなる。鈍くなるから、失敗する。失敗すると落ち込むから、出来る限り失敗しないようにする。
ウェブサイトを見ていて、間違ったところをクリックすると大慌てで閉じようとする人が多い。
彼らの反射神経は 間違ったー>閉じなくちゃ に向かう。閉じれば失敗から目をそらすことが出来るから。
まず、ウェブサイトは「見ている人に敵意を持っていませんよ」とお知らせするトコロからはじめる必要があるんだと思う。「あなたはこのウェブサイトで、こんなことが出来る。そのためには、ココをクリックするのよ。大丈夫、あなたはきっと失敗しない。もし失敗したと思ったらそれはただの回り道で、あなたの欲しい情報は必ずこのサイトにあるのよ」とまるで夜泣きをする子どもに諭すように、そんなウェブサイトが求められているんだろう。
と、なぜ、その行為があなたには出来ないの、恐れずに押せば良いのに!という現場から、思ったわけです。
大人になると言うことは、失敗を恐れると言うこと。失恋をしている友達を見るたびに、ウェブサイトとユーザビリティを思い出します(笑)