シニア層と検索根性
シニア層に「インターネット」を教えていると、良く言われる。
「へー。そんなことまで調べられるんだ」
「どうやって調べたの?」
たとえば、こだわった旅行に行きたい。
そうすると、私は何時間でも探す。
いくつか良さそうなホテルを見つけたら、海外の口コミも国内の口コミも全部総ざらいして、そして各サイトの値段も洗い出す。それって2,3時間、時には半日以上、一緒に行く人達の意見も聞いて打ち合わせなどをしたら下手したら1週間位検索しまくる事がある。
だから、良いサイトにも当たる。(と思っている。多分、私が知らないサイトはきっとあなたが知っている。)
検索をしていて「間違えちゃったなあ」とは思わない。
「ああ、私の思惑とは違う場所だから、戻ればいいじゃない。」
先日、ゴルフのことを探したいと言う妙齢の女性がいて、横でつらつら見ていたら、なんらかの検索キーワードをいれて、情報商材のページに当たった。
彼女はそのページをじっくり読んで言った。
「どうしてこのページが出てきちゃったんだろう。」
◆
うちの姉は(シニアではないが)インターネットが得意ではない。
姉は私を人間検索エンジンと位にしか思っていないので、私に電話すれば、直ぐに*的確な*答えが来ると思っている。
姉に色々聞かれる。彼女はいつも言う。「どうやったらそうやって答えが出てくるの?持つべきものはい妹だわ」
いい人、は、使える人、ってわけですな。(いい人は、どうでもいい人ではないのです。)
彼女は言う。
「私が探しても出てこないのに、マミコが探すと出てくるのって不思議よね。どうやったらそういうページが探せるんだろう?」
◆
シニア層にいろいろ聞く。「もっと検索がうまくなりたい。」「今はまだ勉強不足だと思う」
そこで、今年度は、検索をうまくなる方法をいろいろ用意した。
しかし、検索系はすべて定員割れした。これは事実。
他の講座は5倍とか6倍とかなのに、オークションの講座も3倍とかなのに、インターネットの検索が得意になるような講座を用意したら、定員割れ。みんなの「うまくなりたいの」は、
「別に今のままでもいいけど。できる範囲しかしないし」
「できたらいいなーって思うけど。難しいのは面倒くさいし」
ってことなのだ。
その難しさに、よりよい検索結果を求めて執着することに、魅力がない。
だって、テレビを見れば情報が大量に流れてくるし、どうして情報を自ら得に行かなくちゃいけないの?
Yahoo!トピックスで十分じゃない。ホームページをあければ(yahoo!の)ニュースがすぐに見えるから、
「どうしていろいろ探す必要があるの?探したものを教えてよ。」
そして、言う。
「もっと検索がうまくなりたい。」
つまり、「私いつかきれいになりたいの」は願望であり、きれいになりたい人はすでにきれいになるための道を頑張って歩んでいるし、いつかはいつでもない。これはまさしく真実。メダカだっていつか鯉になりたいと思っているように、「いつか」はなかなか来ない。(とはいえ、いつか、って目標を持つことは大切ですけどね。要はそれに向かって動いているかどうかってこと。)
つまり、「私いつか結婚したいの」はたわごとであり、結婚したい人は出会いを求めていろいろな場所にいっているに違いない。「うーん、いつか結婚したいなあ」と言いつつ、休みの日を読書とhatenaと映画と陶芸と掃除と残務処理で終わらせてしまうような私はシニア層の「いつかしたい」と同類なんだろう。はは。(乾いた笑い)