ムイシ菌
「インターネットの嫌なところは、間違ったら取り返しがつかないことなんだよね」
と、某男子が言う。男子とはいえ62歳ですが。
「ちょっと押し忘れただけとか、ちょっと押し間違えただけで、変なところに飛んでいくでしょ?あれが嫌でね。直ぐ閉じちゃう」
「たとえば、」と彼が続ける。
「この間本買おうとして、かいものかごボタンを押して、何か押しちゃったんだよね。買えたかどうか解らなかったからもう一回カゴボタンを押したら、なんと同じ本が2冊届いちゃってさー。」
ムイシ菌という菌がいる。と思う。
もやしもんには出ていない。(笑:ラブ★オリゼー)
無意識の菌である。
どうも歳をとるとこのムイシ菌が増殖するらしい。
彼らはインターネットをしている最中やパソコンをしている間に、ムイシ菌の絶大なる効果により、何かをしてしまう。彼らがしているのではない。菌がしているのである。
そのムイシ菌が何かをすると彼らはパニックになる。
自分じゃない、何かが、僕の知らない間に、パソコンを動かした
そんなバナナ。
「なんか押し忘れたり、押しちゃったりするとパソコンって変な動きをするのよね」と他の女史も言う。
たとえばエクセル。
ムイシ菌がマウスを押したまま、マウスを動かす。
セルが移動する。
ムイシ菌を攻め立てるシニア。「私じゃない」「僕じゃない」 冤罪物語。
ウェブサイトでも、ソフトでも、大切なのはムイシ菌発生後に、現状回復できることだと思う。
なんかよく解らない操作をした後に、きちんと次のアクションに戻れるように誘導するか、間違いを気づかせてあげられるか。
ウェブサイト使いづらさの敵は老化ではなく、ムイシ菌なのだ。