条件分岐

久しぶりに現場で教えてみる。
#現場にはよくいて、シニア層とおしゃべりはよくしているのですが、指示をしているだけの時が多く、実際に教えるとなると、意外と難しいものです。少しのブランクが如実に解る。(ピアノと一緒)自分の説明の時の言葉が小難しくなっていることを感じたり、相手の心に伝わる言葉を並べるには、解らない気持ちに共感すること、それが頭でわかっていても言葉にするのは難しい。
ということで、久しぶりに、四苦八苦しながら言葉を紡ぐ。
そこにMさん(65歳女性)。現在、ワードでチラシなどを作っている。
どうして、こんなに覚えられないんだろうと思う。
ずーっと観察をしていたら、どうも条件分岐がダメみたいだ。
この場合は、ここを押す。でも、そうじゃない場合はこっちを押す。とはいえ、例外的にこういうときはここを押す。
パソコンには様々な条件分岐がある。
たとえば、一番簡単な例だと、文字を入力している。それが変換前であれば、スペースキーは変換に、そうでない場合にはスペースに、となる。そんな感じ。
本来なら一つのキーボードに2つの意味を持たせてはいけないのだが、キーボードだけではなく、いろいろなところで彼らの条件分岐がある。そして、それを図として頭の中に入れずに、一連の流れを頭の中に入れるために、応用が利かない。
たとえば。彼女を見ていて思ったことであるが。
醤油味のチャーハンを作るときは、最後に醤油を鍋の周りで焦がすのだが(少なくともうちでは)、お刺身は先に小皿に醤油を入れてお刺身に醤油をつけて食べる。
その条件が解らない。そんな感じ。そこに、新たに煮ものとかがでてくると、「どうして?どうして、さっきまでつけて食べるって言ってたじゃない!混乱しちゃう!」そんな感じだ。
チラシに乗せる地図をワードで作る。作ってあるものをほかのファイルにコピー&ペーストする。その地図の場所を下げる。地図が間違えていた。原本を直す。道が一本多い。Deleteで消す。地図をコピーする。チラシに戻る。文面が違う。Deleteを押す。この段階で、もう彼女は混乱する。このDeleteは文字を消すためか?線を消すためか?ペースト、なんのために?ペースト?書式の貼り付けと、ただの貼り付けと「嗚呼!」彼女がため息をつく。
「さっき、押したのは、バックスペース?デリート?それとも、クリックだった?」
彼女のために、分岐条件を説明する。
もし、これがこうだったら、こうですよね。ということは、これはこうだからああですよね。
で、彼女は問う。「じゃあ、今は、何をすればいいの?」
彼女たちは条件分岐をうまく作れない。頭の中に図示できない。物事はとてもシンプルであることに、丸ごと覚えようとするからついていけない。うまく、細かく条件を自分の中に作れない。
私の数学の先生が先日言っていた。(現役大学生)
「難しい問題に会うと、みんな思考停止しちゃうんですよ。
 そういう時は、自分なりの言葉に言い換えてみましょう。
 そして、どこが解らない所なのか、どこが自分には理解できない所なのか整理しましょう」
といって、数学塾のメンバーに東大の問題を渡してきた。
なにかあったときに、まるでパンクイ競争であんぱんを頬張るように、突然なにかが起きるとたいていの人は思考停止する。かくいう私も、東大の問題で3秒で眠気が襲ってきた。
とはいえ、解説を聞きながら、細かく内容をかみ砕いて行ったら、どうも解けそうな気がする。
思考停止するのは仕方ない。
これは年をとればとるほど、思考停止ストッパーがかかりやすい。それは、仕方ないこと。
だからこそ、サービス提供者やウェブ提供者は、思考停止をさせないような作りの物を提供しなくちゃいけない。
いくつかに意味があったり、いろいろなことが複数の条件でできたり、この場合はこのボタン、この場合は・・・のような複雑ルールを作ったり、戻るボタンで戻れなかったり。
とにかく道筋はシンプルに、きれいに、解り易く。
細かくマニュアルを書いたって、誰も見ない。目次見て思考停止。思考停止したら、機能は使われない。
少しでも思考停止を先延ばしするような、そんな作りがシニア・シルバー層と、頭が老化している若者たちには重要なのだ。
追記 19:23
現場リターン。例えば、Shiftキー。いつ押すのか、どのようなタイミングで押すのか。わかる人には!を押す時には必要だとわかるが、たとえばExcelの時に!を入れるわけではないが、範囲を選択する時にShiftを利用する、などというときは、それがShiftなんだからCapsLockなのか、Altなのか、大混乱。どの時は、どれを使うのかはよくわからない。だから、半角と全角の違いもわからない。って、たった今、目の前で混乱していた人が。
以下雑談。
ところで、コメントを最近閉じているのですが、他意はないのです。
ココログはコメントを見なくても投稿できるようになっており、ある日見たら、ずいぶん前の記事に対してコメントが溜まっていました。それを見たら、返信するのもなんだか調子外れだし、とはいえ、オープンにして自分がコメントを入れないのもなんだかなあ、だし。というので、コメントがあるかどうかを全くチェックしていないので、コメントを閉じさせていただきました。ご感想などは直接にメールいただけると本当にうれしいです。
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