若さか若作りか
昔々、某社のお仕事の手伝いをしていた時に、50歳からの○×講座をしたところ、70歳以上ばかり集まった。
下手に50歳などと打ち出すと「おお、中高年向きだ!」と解釈し、意外とシルバーが集まる、というのはいつだってそうだ。というよりも、50歳台はしっかり働いているのに、日中に講座を持つほど間抜けな事はない。
今年度、弊社の有するパソコン教室が新宿区のIT講習会を受け持つ事になりまして、それもあって非常にバタバタしているのですが。
講座内容などを色々目に見えない仕掛けをしてみたら「もうオワタ」的に言われる有料IT講習会が4倍の倍率で抽選になってしまった。
実は、その中で一つ、団塊世代向けに講座を設けてみた。
自分が普段皆さんに提唱している事や、自分の中での仮説を実証する為だ。
今、弊社の広告は、65歳前後の方に非常に評判がよく、私の中での一つの仮説が実証された。今度は「年齢」に関する仮説を試してみたのですが。。。
年齢の事は触れず、年頭にあるのは団塊世代、団塊世代のためのスケジューリング、内容、・・・・・。
蓋を開けたら半数が70歳代だった。
勿論、ターゲットになっていた方々もたくさんご応募くださったので4倍を越える倍率というのが成立したのですが、それよりも私の中で衝撃だったのは70歳代が名(年齢)を連ねていた事でした・・・
昨日、とある企業さまの講習会をやっていて、「シニア向けの商品」を生徒さん向けに紹介したのですが、最後に一言、H嬢(68)が「でもさ、ださいわよねー。私だって若いこと同じのでかっこいいのがいいわよ」
それを受けたI嬢(73)「そうよねー。私も、使い勝手がシニア向けの方がいいって解ってるんだけどね、でも、かっこいいほうがいいじゃないね。」
確かに、「70歳」の固定概念から比較すると、彼らの考えも行動も非常に若い。
しかし、多くの70歳、60歳代を見ている私としては、彼らの行動は「今時の年齢の年相応」に見える。
若さ、という非常に曖昧な言葉は定義が難しい。
今時のシニア層は若いですものね、というのは、言うはやすし、伝わりつらし、の言葉である。
シニア層は自分の若さを信じて疑っていないし、だからこそ、50歳台向けに作った講座に飛び込んでくる。
多分、「大丈夫だ!」と思うのだろう。(結局クラスは増設し、年代別に分ける方向になったのですが)
しかし、下から見ると、確かに従来の70歳と言う固定概念よりも「若いですね」とは思うのですが、実際には「(でも年だよね)」という気持ちが見える。とある方曰く「老いを認識するってことが最近の年寄りには足りない」だそうで、シニア向け商品は彼らのために考えられているのであるから、彼らは使う「べき」なのである。なのに、子の心親知らず(痛いんですよね、残り後2本(笑))、シニア・シルバー層は自分の若さを信じ、若年層はその若さを心の中で「若作りじゃない?」と思っている。
そんな溝がシニア向け製品を難しくしているんだなあと、しみじみ思う。
本当は、数字も何よりも、実際にユーザーの近くに行って、近くに立って、悩みを感じてあげるのも重要。
まあ、言うのは簡単。これを言うと皆なぜか巣鴨に行くのは謎なんですけど(笑)