あなたのシニアビジネスが失敗の予感を携えている要因。
春のせいか、いろいろな事がやりたくてたまらない。
とりあえず今年の目標は「面白そうな人に会う!」なので、いろいろな人に会う事にしている。だから、毎日とても面白い。
そんな中、T氏からシニアビジネスの相談を受けた。(ご連絡を頂いたのはT氏ではないが、割愛。)
色々話を伺って、思わず、「うーん、それは厳しい。あまりにも、シニアをしらなすぎる。」と呟いてしまった。(その後、T氏曰く「めっちゃ怖かった」とのことでしたが)
で、お話を伺いながら、シニア向けビジネスが失敗する理由をつらつら考えていた。
簡単にいえば、シニア層を理想化し過ぎている。と言う事に尽きる。
また、シニア層は経験が若者よりあるのだから、いろいろな面があるということを理解していない。
この方面ではお金を使うシニアが、どうしてこっちではお金を使わないんだろう?ということは多々ある。なのに、貯金残高だけ見て「お金を持っている!」と言う理由で一面のシニア層が喜ぶだろうと勝手に若者が期待して、サービスをばばーんと打ちあげて、しゅーんと消えていく。感じ。
お茶を飲みながら考えた。
あなたのシニアビジネスが失敗の予感を携えている要因。
★ 若者の理想をシニア層に求め過ぎている。
良い人もいますよ。大好きな人も多いです。でも、実際はそんなんじゃない時が多いです。聖人君子ではありません。仙人でもない、人間。
★ シニア層の多面性を無視している
勝手に理想のシニア像を作っている。マスコミに踊らされ過ぎている。
派手そうに見えてめっちゃ渋い方もいるし、渋そうに見えて綺麗な散財が出来る方もいる。
★ 声の大きい人を疑わない
あなたのご意見を・・・と募集した場合、意見が出る人は、だいたい喋るのが好き。意見を言うのが好き。だから、時として、その意見は実態と外れる。
★ シニア層の意見に期待する
というよりも、ふつーに暮らしていたら、不満もぐっと我慢しちゃう。不満を見つけ出せる人がビジネスで有り、それを、一般人に期待しない。なのに、「●●さんが言ってました」などと、そのちっさなN数に頼る。
★ 難しいものを提供し過ぎている
新しいものなんて求めてないです。複雑なものなんていらないです。
今の生活が、ちょっと良くなったり、超楽しかったり、刺激であったり、自慢であったり。
そう言うのを求めてるのになあ。年を取るとそんなに時代について行けないですよ。
★ 働いている人と働いていない人を一緒にしない!
働く、ってことは、働いている人には普通の事でも、定年退職をしたら世界って変わるんですよ!まず、情報が入ってこない。友達が減る。呑みに行く相手が変わる。
そして、定年前は定年後の話をしたりしても、実際に真剣に考えていません。私が余命半年リストや遺書を作っていても、たぶん、余命半年と言われたら全く違う行動を取る(と思う)ように。人間は賢くありません。
★ 打算が見えない
シニア層は経験が豊か。振り込め詐欺のような緊急を要するものについては思考停止に陥りがちですが(パソコンのエラー画面に然り)考える物は、ものすごく穿った考えをする事もあります。良く考える。でも、余り考えない事もある。そのシニアビジネスが、シニア層に考えさせるものなのか、考えさせないものなのか、そういう事も重要。
★ 前向きな人ばかりじゃない
70過ぎた辺りから、新聞の訃報欄に自分より年下の人が見えるようになってから、消費のライバルは余命です。
なので、60歳前半より、70歳代のほうがおもしろい消費をするんですけどねえ。
で、前向きな人ばかりではない。どうせ・・・と言う人が年を取る度に多くなる事も忘れてはいけない
★ 老化している事を換算できない
老化しているのに、「アクティブ」に老化を織り込んでいない。
アクティブシニアの「アクティブ」と言う言葉は20歳代と同じアクティブと言う意味ではない、ということを理解していない。
挙げられたビジネス候補一覧を見て、そんな事を思った。
なので、「1ヶ月ぐらい、シニアにもまれて、大量に話してみると良いと思いますよ。内でバイトしませんか?」と迫ったら「遠慮しますっ!」と言われてしまいました(;;)
シニアビジネスを始めたいと言う人は、大体、ターゲット像の選択が間違っている気がしてならないのです。
とかいって、いつも読んでいるchikirinさんのブログでシニアの事が題材に挙がってきてからなんとなくどきどきしているのですが・・・(参考になるので是非読んでください!)次回が「アクティブシニア」という言葉に騙されない的な話になるようで、「アクティブシニアだ!」とウェブに謳ってる自分としては、ドキドキで心臓が口から飛び出そうです。(でも、いつも、アクティブシニアの多面を見よう!という話はしてる筈。。)
シニアビジネスは、たぶん、美味しいけども、きびなごをカブトムシの網ですくっちゃいけない感じ。哲学的。(どこがじゃ)きちんと、ターゲットを把握し、数名の意見に惑わされず、理想の老後を作りましょう!
ちなみに、うちは、シニアビジネスとして成功しているかと言えば、すごい自信はないが、まあまあ、今は良い方なんじゃないかな、と思う。大きくないけど。全く小さくて、小さくてたまらないけど。
私は、最初シニアビジネスなんて大きな事は考えて無くて、ただ単に、自分が中高年男性にもてることと、おばあちゃんっこなので、シニア向けの物を始めただけだ。今も、シニアの人たちが大好きだ。先輩として、いろいろな悩みを抱えている人間として、とても好きだ。若い人に対してはどうしても自分との比較が入るが、中高年は自分と比較しなくていい分、新しい世界の話として、(これからある世界の話として)色々な話をうかがえるので、シニアもシルバーも大好きだ。
途中で、シニア向けビジネスの難しさはよくよく気付かされた。
もちろん、そこにノウハウが溜まったが、今は、それ以上に未来を創ること、その中に楽しい老後を創出していくことに興味がある。すでに「おじいちゃん、おばあちゃんはね」というビジネスはしていない。人間として、シニア層を客観的に把握する。「うわあ、お年なのにお元気ですね」なんて言っているうちは、市場をよく見えてないんだと思う。(あ、お世辞では言いますよ。寝てても言える。「お若く見えますねー」)
私がいうのは、本当に現場から、つらつらとで、余り参考にならないかもしれないが(あまり説得力もない気がするし)シニアビジネスをはじめよう!と言う人の、なんらかのお手伝いができればいいなあ、と考えている。
ということで、もし、シニアビジネスをやりたいと考えているよー。と言う方がいらしたらご連絡ください。仕事ベースで無くても、面白い事なら嬉しいです。面白い人なら嬉しいです。面白くない事なら寂しいです。今年は色々な方に会って、いろいろな刺激を頂こうと考えているので、どうぞお気軽に仰って下さい。
多分、アイデアに味付けとか、形にするとか、そういうのはできると思います。面白かったら教室で実験してみます。面白くなかったらやりませんので、やらせないでください。期待しないで下さい。
勿論、その楽しい話が、最終的に仕事になったら嬉しいですけど。
#ところで、Tさん、他意は無いです。申し上げた内容で思った事をつらつら書いただけです。面白未来創出、やっていきましょう~