初心者と中級者の違い
ずいぶん前、パソコン教室の受付にいらした(比較的若い)女性が私に言った。
「パソコン、うまくなるためにはどうすればいいの?毎日使っているし、そこそこ使えると思う。だけど、目的のものを早く探せないし、もっと使えるようになるためにはどうすればいいの?」
返答にとても困ってしまった。
日々、仕事でパソコンを使っていて、家で時折ネットを見ていて、そういう人が「もっとうまくなる」ためにはどうすればいいんだろう?
答えが出ないままずっと気になっていた。
先日、弊社の講師に「一度、初心を抜け出れられない人と早い人の視線を比較できないか。その違いが解れば、皆に検索の方法のアドバイスができるかもしれない」と相談されたので、実行に移すことにした。(面白そうだから)
ということで、本日は3人の「日々インターネットはしているし、御買物もしている、調べ物もしているが、検索が早くない3人組」という所謂「普通」の人(以下「普通の人」)と、弊社の「おはようからおやすみまでネット♪NO Internet,No Life」というネット中毒な3人(以下「中毒者」)に同じ課題を与え、その視点を比較した。
■普通の人と中毒者の違い
・検索用語に対する柔軟性
普通の人は検索用語を考えて入力する。入力した後に検索語を変えるのには時間がかかる。
中毒の人は思いついた語を入れて、結果を見てまたすぐに変えることが多い。自分のいれた検索用語に固執しない
・あきらめが早い
中毒の人は、違う、と思ったときに検索が速い人はすぐにあきらめて戻る。
普通の人は目の前の画面に答えがあるのではないかとずっと探している。
・読み込み時間の活用
普通の人は、読み込んでいる時間に待っている。中毒の人たちは読みこんでいる時間にページの他の部分を探している。
普通の人と中毒の人の決定的な違いは、サイトを見たときに「全体を把握しようとするか否か」に尽きると思った。
中毒の人は、サイト全体のどこに答えがあるのかと、サイトを見まわす。だから、スクロールもする。普通の人は、目の前に出てきたところの中で「答え」を探そうとするから、「ファーストビューって大切だよ!」と言われる所以なのである。
中毒の人は、よさそうなサイトに出会うと、まるで合コンに行ったときに素敵な異性を探すときの獲物の目のようにキラリーン★とサイト全体を見る。普通の人は、最初に会った人と話す。(この表現を使いたかっただけかもしれないです)
検索サイトだけではなく、同じ実験をモールでも実施したのだが、キーワードをなかなか変えない。自分の検索キーワードの正否について考えるより、目の前に出た結果からどうにか探そうとする。
中毒な人はすぐにキーワードを変える。
その違いがある。
「ユーザーに良い」サイトを作るには、中毒者ではない、普通の人の視線を認識する必要がある。
サイトを作っているのは、中毒な人が多いので、普通の人と、自分は違うんだ!自分は合コンの獲物を狙っているが、普通の人は狙ってないんだ!そんな認識の違いから始めることが出ればいいと思う。
▼普通の人
▼中毒者
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