わからない。ということ
相手が解っていないということを認識するのはとてもとてもとてもとても難しい。
少し日にちをあけて現場に入ると
解っていない人に、説明をするのはとても大変だ!と毎回思う。
わかっている人が想像する以上に、解っていない人と解っている人は住んでいる世界が違う。
住んでる星が違う。
たとえば、ソフトウェアの概念が、まずない。
ワードを起動して[ファイル]→[開く]をクリックし、エクセルを探そうとする。
そんなことは 日常。
ファイルとフォルダの概念が、ほとほとない。
たとえばワードを立ち上げて新規保存、それが、なぜか、デスクトップでフォルダを作っていることなんて結構ザラ。これは今あった話。
たとえば、勝手に自分で答えを作って納得する。これは昨日あった話。
Hotmailのログイン画面でメールアドレスを入れ、Enterキー。
エラーが出る。「パスワードを入れてください」
「なるほど、次はパスワードね」それがエラー画面とは彼は気づかない。(そういう意味では秀逸)
まあ、いいんだ、できたから。
例えば、コードなんかも大変。
パソコンを持ち込まれる方に「どのコードを持ってくればいいか」と聞かれ、パソコンからコンセントにつながっているコード、と指示をしたらADSLモデムのコンセントとなぜか電話コードをご持参なさった。
どれも「あるあるー」というコネタであるが、これが日常となると大変である。
ちなみに、私はパソコン以外の機械に弱くて、ビデオとか録画が出来ない。というよりも、人生におけるテレビの比重が限りなく低いため、テレビなど無くても生きていける。で、我が家のテレビ。先日、DVDを見る機械を買いなおして、裏に入って色々配線をいじったら、テレビが映らなくなった。あはは。あはは、で済まされる家で良かった。
半年以上経つが、いまだにテレビが映らない。わからないから、やりたくない。いつか妖精みたいなのが現れて勝手に直してくれるんじゃないかと心の中で思っている。たぶん、シニア層とパソコンもそんな感じ。
解る人にとって、解らない人のことはなかなか理解がしづらい。
昔、ISDNを我が家に導入したとき、説明書を読んでも意味が解らなくて、自分ではつなげていると思っていたら、まだダイアルアップでつないでいたらしい。我が家にチェックしにきてくださった関係者が呆れていた。「君は物理的な線をつないだだけでISDNにつながるとでも?」当時は詳しくなかったので「なんて嫌味な人なんだろう」と思っていたけども(すみません。)今になると解る。解る人には解らない人の思考回路が解らない。(ちなみに、当時はパソコンも得意じゃありませんでした。昔々のお話。)
解る人が解らない人を理解するためには観察するより他にない。
解らない、ということがどういうことかは見るしかない。
見て、感じて、はじめて「うぉぉ。解らないってこんな感じなんだ!」と気づくのが大切なんじゃないかと思う。