高齢者と自己評価
自己評価とはとても難しい。
自分がどのくらい出来ているのか冷静に判断するのはとても難しい。
自分自身だって、正直、どのレベルなのかは解らない。
最近、新しいウェブサービスに付いて行くのが必死なので、もしかしたら最先端の人からは「ぷぷぷ」と思われるレベルかも知れない。
Office系はそれなりに使いこなしているが、奥深い事はできない。
パソコン教室に入会する人も、入会前のスキル申告は自己申告である。
「ワードくらいはできます」という若い方が、ワードとは文字を打つことだけであったりすることも良くある。
「Excelは日常的に会社で使っているんで」という方が、数字を入力するだけ、ということも日常茶飯事である。
いわんや高齢者をや。
「結構使えるからさあ」というおじいちゃんは、Photoshopをバリバリ使いこなしている一方で、「ボクはかなりパソコンを使っているんだよね」というおじいちゃんは、麻雀ゲームだけだったりする。
個人の中でガラパゴス化しているので、お互いの標準が無い。
#なので、入会時に、何がやりたいか、それに達するまでのスキルに何が必要なのか、など色々聞いて行く。それで客観的にスキルを判断する。プライドを傷つけないように、優しく判断する。すごく謙虚な人もいれば、えええ。と言う人もいる。自己申告は、過大評価をしない方が的確なサービスを受けられる。これマメ知識。(といっても難しいなあ。出来ると思っていたら出来なかった事とか、覚えていない事はものすごくある。)
ところで、朝いらした73歳女性。
ちょっとしたヒアリング調査のお願いでアンケートを書いてもらう。
その調査は「使えない人」が対象なので、使えない彼女に白羽の矢が立ったのだが、「パソコンを使って困る事」という項目などのところで一言。
「えー、ない。」
(ないのかー!?)
その瞬間、近寄ってきた
「ね、年賀状、もう作れないと思うから作ってもらえる?」
(なるほど、困った時には人に頼るから、困るという意識が無いのかも)
やりたいことが限定していて、それだけできればいいのであれば、自己認識でも「パソコンが出来る」と言う事になるんだと思う。
インターネットも、mixiさえ使えれば「インターネットくらいはできますよ」となる。
面接の時も思うが、できる、の評価は本当に難しい。
資格を持っていても、うちの望む「パソコンの使い方」が出来る人は少ない。
「自分は他人に比較して使える方だと思う」という自己評価が、違う場所に行けば違う評価になる。
自己評価は難しい。
なので、高齢者に対する評価は自己評価と他人評価の差をしっかり見つめないと、偉い大変な目にあうことは、間違いない。