なぜ文字を大きくするのですか?

「高齢者向けのホームページの文字の大きさは?」と聞かれる。
何千回も、口を酸っぱくして言うが、
「文字の大きさを大きくすればシニア向けと言うわけではない」

「ボク、もてたいんですけど、このバッグを持てばもてますか?」
と聞いているようである。
確かに、ズタボロバッグよりは、きちんとしたバッグを持ったほうがもてるだろう。
しかし、それは本質か?
ずいぶん前に、酔っ払った時に、コンビニで「あなたもセレブになれる本」を買った。
下手な最近の小説よりはずいぶん楽しかったですが、セレブになるための化粧だの洋服だの、さっさと頭の中身を磨けというツッコミは無しに、かなりマニュアル化されていた。セレブの友達はセレブが多いから、セレブの友達の結婚式を狙え、と、書いてあった。ぶんぶく茶釜が臍で茶を沸かしてしまうかと思った。
シニア向けのホームページは文字を大きくすればいい、というのは、セレブになる本に似ている。


ご存知の通り、当社にはたくさんのシニア層が通ってくださるのですが
色々な人が「ウェブは見づらい」という。見づらいのはウェブだけではない。マニュアルも、なにもかも。
ただ、文字の大きいマニュアルが受けるわけではない。
なぜ、文字を大きくしたほうがみやすいのか?それは老眼だから。
老眼鏡をかければいいじゃないか、とお思いでしょうか
メガネからコンタクトにした人は多いかと思いますが、メガネって面倒なんですよね。(私はメガネ好き)
間違えて朝、めがねしたまま顔洗っちゃうし、緊張してめがねの事を忘れて自動ドアにメガネから突っ込んだことも有りますし、めがねをかけてないのに、癖でメガネを上げちゃうし。めがねは面倒。
となると、老眼鏡をかけなくてはいけないと言う手間が「見づらい」に繋がるわけです。
つまり、「見づらい」。これが原因なのです。
なのに、多くの会社は文字を大きくすれば「見やすくなる」と信じている。
ぷるりん唇にすればもてると思っている。はとが豆鉄砲くらったような目をしていればもてると思っている(思っていない?)
見やすい、は、文字の大きさだけですか?
文字の大きさが大切なのではなく、見やすいことが大切なのです。
なんだかとっても本末転倒になりつつあります。