ほんのちょっとのことが解らなくて

お教室なので、私たちはパソコンにまつわるワクワクを伝えている。
当社はそういうコンセプトの教室です。
私は現場にいることがだんだん少なくなっているのですが、それでも週2,3回は現場に出ないととシニア層の感覚が揺らぐ、ずれる、頭でっかちになる。そんなもんですよね?やはりデータのシニア層と現場のシニア層、2次元とリアルの差があるように、データも大切だけど、リアルも大切。2次元の女の子しか付き合ったことない人とリアルの女の子と付き合ったことがある男性では奥の深さが違うように(笑)
そして、週に数度は「ちょっと解らないのよ」というシニア層の為にマンツーマンで教えることがある。
質問を大量に持ってきていただいたり、ご自分の資料を作りたいときに使っていただくものである。
「普段使うのには問題ないのよ。ほんのちょっと解らないだけなの」とご予約をいただく。


「ほんの少し、解らないんだよねー。文字の大きさを大きくするとか」
「!?」
先日は、既に通っている方のお兄様をご紹介された。
「うちの兄貴、使えるんですよ」と弟が言う。
「あはは、まあ使えるって言っても基本操作だけだけど、日常には問題ないかな」と兄が言う。
横に座る。
「ね、真ん中に文字を持って行きたいんだけど」
(今までスペースで真ん中にずらしていたらしい)
確かに、「日常」では避けて通れる問題だと思う。
そう、日常問題ないってことは、つまり、脊髄反射のレベルで問題ないってこと。
朝起きて、会社に行って仕事して、そして帰ってくる。毎日が刺激があるようで、実は刺激って少ない。
「慣れ」が9割を占めてしまう。
慣れない事は「危うきによらず」で近寄らなければなんとか生きていける。
シニア層を見ていると、本当に「危うきによらず」が多い。危ういことは失敗がつき物だ。
大人になることは、失敗をうまく避けること。それが生存本能であるとおもう。
「ちょっとしたことが解らない」その言葉には色々な含蓄がある。
もしかして、ちょっとした不便に思っていること、難しいことを諦めて、もしくは避けているんじゃないか?
だから、あなたのサービスや、商品や、ウェブサイトが反射的に避けられているんじゃないか?