解りやすさと考えないこと
商品を買ってもらうのには解りやすさが必要である。
解りやすい、というのは非常に奥が深い言葉で
これは「使いやすい」とはまったくもって意味が違う。
なので、商品を買ってもらうこと、登録してもらうことを目標とした(まるで、結婚がゴールのような)文章になりますので悪しからず。
目的を達するには、バラ色の未来が描けないといけない。
バラ色、というのは
1)それを使うと、おれさま超人気者、すごくバラ色人生 とかいうポジティブなもの
2)今の苦痛から超解放される とかのネガティブなもの
そういうことをきらきら想像させなくちゃいけない。
たとえば、Hさんは随分前に食器洗濯機を買った。
「これを買えばきっと今の面倒くさいことから解放される!」すごく解りやすいイメージが彼女の脳内に浮かぶ。
それを買おうとする時に「きっと使えないかも」とか、シニア層から聞く「面倒くさそう」とかいう言葉はない。
もしかしたら難しいかもしれないけども、それにあまりある何かが待っている。
シニア層が面倒くさい、というのは言い訳に過ぎなくて、
もしかしたら、もしかしたら、それを言い訳にしないでやらないようにしているだけかも。
それは、あたかも「失恋するのが面倒くさいから恋愛をしない」と宣言している人のように。
商品の場合、難しい配線とか、ボタンのやり方とか、買った後に使いやすさを気付くことは多い。
買うときはそんなことを思っていなくて、それを持った時の自分の生活の変化にワクワクしてしまう。
買ってほしければ、使ってほしければ、それがあなたの人生をどう変えるのか、ものすごく想像しやすい形で調理して提案しないと、人は動かない。特にシニアは。想像力が落ちてくるんだもの。
与えられることに慣れた人が、自ら考えるようになるのは難しい。
きっとこうして使ってくれるだろうとか、そんな妄想は、妄想にすぎない。道端で突然誰かとぶつかってそれが運命の出会いだったとかって妄想に近いかも。(笑)
シニア向けに商品やサービスを提供するときは、どう使っているか、使っている人がどんなにバラ色の表情をしているか、そういうことをもっともっと、想像とかレベルじゃなくて、すぐに自分に置き換えられるまでに噛み砕いて提供しないと人は動かない。
年をとると、考えることをしなくなる。今、私たちが日常考えているのも、ただの考えるふりだったりすることが多い。今までの経験に照らし合わせて、無難な答えだけを導いている場合がほとんど。シニアの人と話していて「私、本当に今まで考えて暮らしてないから」という言葉をよく聞く。考えるふりはできる。でも、考えていない。
だから、売れたいのであれば、使ってほしいのであれば、考えさせない。
結婚の先には「バラ色の人生」(Byミッチー。古。)すっぴんの彼女など、想像もつかない。それでいいのさ。結婚までは。ということ。とはいえ、バラ色の人生ばかり見せているといつの間にか期待値が高くなってしまって顧客満足を得るのが難しいってこともあるので、一応お断りのとおり「結婚がゴール」「結婚が人生の最終目標ですっ」という考え方に基づいて本日はお送りさせていただきました。ちゃんちゃん。