都合の悪い話は聞かない

今日は比較的静かに朝が始まりました。
6名のシニア・シルバー層が朝一からお勉強されています。
さて、Yさん56歳。
「パソコンって思いもしないことがあるから混乱しちゃうんだよね」と仰います。
今日の彼の「思いもしないこと」はスタンバイに関係する事。
画面が暗いのにランプがついている、ということがどうも気になって仕方ない様子。
スタッフが説明する。
渾身の力を込めて、それはスタンバイになっているのかもしれないと説明する。
「うんうん、そうなんだ。でさ、おかしいんだよね。画面が消えてるのに(以下ループ)」
いや、まったく人の話を聞いていない。
思わず後ろから突っ込もうかと思った。
Sさん80歳。
写真が趣味。
DVDに写真が入らないのはCドライブの空きが小さいからだと思い込んでいる。
原因は写真が多すぎてDVDから溢れてしまうのである。
「DVDは引っ越しトラックみたいなものですからね、積載量が多すぎるといっぱいです、って言われるんですよ」月曜日の朝は笑顔も通常の1.2倍(自分比)
「うん、そうなんだ、で、このCのピンクが少ないからDVDに入らないんだよね」
彼は外付けからDVDに焼いているので、関係ない。
「うー。関係ないですねー。このCはパソコン本体で、SさんはこちらのハードからDVDに行ってますよね。云々」
「ふーん。で、Cドライブは・・・(以下ループ)」
結局、思い込んでいる内容は人の説明なんて聞いていない。特に男性でこの傾向が多い。
目の前にいるNさん74歳。最近パソコンにはまっている。
「この文字を中央揃えにしてね!」と嬉しそうに話す。
「これを右に揃えるにはどうすればいいんだろう?」
スタッフが右揃えを説明する。
「そうかー。ぼくはてっきり、スペースで右にやればいいのかと思っていてね」
「まあ、それよりも右揃えの方が楽ですよね」と笑顔のスタッフ。
「で、僕は家でずっとスペースで右にやっていてね(以下ループ)」
彼らは、自分ルールを作る。野村監督のゲン担ぎみたいなの?このパンツを穿いていたら勝つから、ずっと穿き続けるみたいな。
自分ルールを改革したり、是正したりするのはとても難しい。
長年生きていて、頑固になると言うよりも、そう思うのだ。思い込んでしまう。
思い込んでしまうと、他の人の意見は耳に入らない。
質問をしても、聞く気はない。
最近、高齢者向けの機械について考えさせられる機会が多いのですが、最初の印象で、どれだけ間違いを減らすか、間違わせない・思いこませない仕組みを作るかが今後事故をなくすキーになるんだなあと思う。
「ところで、DVDに入らないときは」とまたSさんが私に声をかける。
こうやって日曜日にためた笑顔エネルギーが摩耗していく気分になる。(笑)