シニア層への影響を及ぼすもの

「シニア層ってどんなものが好きですか」「シニアの情報源ってなんですか」など、シニア市場(シニアマーケット)に関するお問い合わせが最近多い。(ありがとうございます☆)
今日は、シニア層への情報源の話。情報源と言うより、シニア層に影響を及ぼす色々な人・モノ。
つくづく思うのは、シニア層の嗜好への影響を及ぼすものはとても多いということ。
だから、画一的に「シニア層は孫が好きで」とか「アクティブで」って言えないし、同じアクティブでも、色々な情報源によって、そのアクティブの方向性が変わる。
例えば、女子高生なら学校の友達、塾の友達など、友達関係を中心に、同じ話題をするための雑誌だったり、大体同じ層がある。
しかし、シニア層には影響を与える情報源が人によってとても違うので、それを知らずに括ってしまうとシニア層を把握することはできない。
では、シニア層へ影響を与える情報源ってなんだろう?
まず、「子ども」がいる。子どもがいる場合には、それが男の子か、女の子かでも変わる。子どもがいない人は情報源が比較的少ないし、とにかく仲の良い子ども(所謂姉妹的親子)になると、情報源がぐんと若くなる。
女性の場合、子どもがいる家庭はママ友との付き合いもある。
子どもたち同士はもう30年もあってないよ、みたいな人でも、親同士は仲良かったりもする。
そして、趣味のサークルがある。同じような人が集うので、同じようなものを持ったり、同じようなレイヤーの人が口コミで広げたりもする。そのサークル仲間のお母さんの娘がミーハーだったりすると、これまたミーハーな情報源が入る。
そして、テレビがある。テレビは相変わらず情報源として鉄板である。
見ないと言う割には、見ている。見た人の意見とかを聞いてしまう。
テレビで自分が信頼していると思う人(口では信頼しているとは言わないが、テレビだから間違いないと思っている人がいる)が発言すると、すぐに納得してしまう。(インターネットは見られるけど、信用にはちょっと薄いみたい)
男性の場合、新聞がある。テレビがある。週刊誌がある。老眼になって読むのが辛くなるみたいだけど。
インターネットは見る。新聞のサイトは信用する。Yahoo!も信用しているようだ。でもそのほかのサイトは「嘘も多いよね」と思っている割に、色々なものにまどわされたりもする。(これって、若い人も同じ。私も良くまどわされている。)
そして、株主総会、企業主催のセミナーへの出席も好き。しっかり勉強している。それも情報源。「最近聞いた話で」「今流行の」というのに、多少温度差を感じるが、そんなものだと思う。
そういえば、「定年退職してから新しい情報が入ってこない」と先日、Kさんがぼやいていた。「だから、こういう教室にたまに来ないと、早くボケそうなんだよね」とも。
とにかく、自ら動かないと情報源は減ってしまう。会社にいた頃のように、意識しなくても情報が入ってきた時とは違う。
それから、同窓会。学校と、会社のOB会も重要な情報源。
以上から見ると、高校生や大学生みたいに、解りやすい雲母のようなレイヤーがない。
すごく複雑に情報源が絡まってくる。
若い世代みたいに「世代」で区切れない。
ママ友や娘の歳で話の内容が変わってきたりもするからだ。
職業も重要だ。専業主婦なのか、働いているのか、定年退職前なのか、再就職なのか、そこの職場の構成はどうなのかによってもずいぶん変わる。収入が沢山あるのか、ないのか、それでも変わってくる。
とはいえ、そういうのをきちんと分類していくと意外と10パターンくらいに収束する気がしている。
今まで、1000名以上の(会員数は5000名を越えているので、会ってしゃべっているのは1000名は超えてると思います)シニア層をここ10年で見てきて、変わらないこと(根底部分)・変わったこと(表層部分)いろいろありますが、なんとなくパターンにはあてはまるなあと思っている。
#とはいえ、そのパターンに固執するとあとでどんでん返しに会うこともあるので固執しないようにしていますが。
なので、シニア層の消費行動を考えるときに、年代だけとか、趣味を持っているか持っていないかだけとか、画一的に分けるんじゃなくて、どこからの影響力が強いかを考えるのはとても重要だと思う。