メディアとインターネット
更新が遅れましたが
この度の東北地方大震災により、亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。そして、一日も早い復旧復興を祈っています。
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なんとなく、心がうまく落ち着かず、書きたい事をまとめている間に、もうすぐ1ヶ月経とうとしている。
本当は、シニア層と震災のITリテラシとかを書きたかったのだが、その話はまた今度。
今日は、ネットとテレビの話。
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震災後、弊社の運営するパソコン教室にぱったりとお客様が来なかった。その恐怖も私を落ち着かせなかった、というか、不安が続いていたんだと思う。
1週間経ったあたりから教室がにぎわい始めた時に、ずっと自分が息を止めていた感覚だったんだなと解った。そして、支援物資を送り始めて、ようやく落ち着いた。何かを行動すると落ち着くものだとよく解った。
そして、さらに1週間後からは「インターネットをやりたいの。そうでなければダメだと解ったの」と仰る新規入会のシニア層が増えた。「テレビを見ているとね、ホームページを見て下さいって言うでしょ。私もそれくらいは見れるようにならなくちゃと思って」と。
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3/14日に求人サイトに掲載予定だった弊社のパソコン教室インストラクターアルバイトの募集は延期された。
そして、3/23、募集を開始した。
今回は面接の際に「今回の震災の時にあなたはどのようにインターネットを活用しましたか。災害時やそのあとの停電・節電も含めてどのようにインターネットを活用するようにお薦めしますか?」と聞いてみた。
インターネットで地震情報を見たいと言う漠然としたお客さまが多くなっているからだ。
この質問に正解などない。しかし、もし、私が答えるとしたら
「当日はTwitterで電車の運行状況などを活用し、大変役に立ちました。また、被災地に御友人がいて安否確認が取れない場合にはGoogleのPersonFinderやWeb171を利用することをお薦めしますし、Yahoo!は節電情報だけではなく、電気使用量などもまとめていますのでどういう風に節電をするかとかも調べられます。そういうページをシニアの方にお伝えしたいです」と回答するかもしれない。
ところが、15人のうち、12名から
「インターネットはデマが多いのであまり見ませんでした。」「インターネットは信用していません(キリッ)」という回答が返ってきた。
ITリテラシが低い人ではない(筈)。なぜって、パソコンインストラクターの面接である。多くの人はそこそこITが「できる」(?)から受けている。
正直、面接で連続して回答されて、なぜか良く解らないが凹んだ。
私はネットがなかったら、多分、支援物資は送れていない。テレビの前でなにもできず佇んでいるだけだったと思う。
ネットがすべてとは思わないし、ネットが正しいとは思わないが、それも含めてネットとテレビなどのメディアの特性を使い分けて、提案していくのがパソコン教室のインストラクターの役目であるとも考えている。
だから、「テレビだってデマを飛ばすこともあるし、人間だってデマを飛ばしますよね。デマばかりじゃなくて、リアルな情報があるのもネットですよね。そういうのは興味なかったですか?」と聞いてみると「うーん、東北に友だちがいない自分には地震はあまり関係ないですし、テレビの方が解説してくれますから。」
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昨日、18歳~60歳近い方のあらかたの面接を終えて、なぜ、「ネットはデマばかり」と思うのか、「テレビは真実」と思うのか、その二つはどう違うのかをずっと考えていた。
ネットは自分で情報を選ばなくてはいけない。テレビは与えてくれる。
テレビは電源を入れるだけでいい。
あとは、見やすく作られた「番組」が流される。
かわいそうだとホロリとし、頑張っている人を見て感動したとホロリとする。そして「ありがとウサギ~!」ぽぽぽぽーん。
ネットは、作られていない情報、玉石混交だからこそ、石=ノイズ≒デマ?が多い。
マジで!?という情報が流れてきたと思ったら、次は「それはデマだ」と大量に流れてくる。
その中に、現場の人の声が見える。ニュース番組では解らないことが伝わってくる。
物資が足りないという声が聞こえる。皆がすっごい送っているのも解る。(私の協力先にも沢山送っていただきました。感動して涙が出たくらいに。)試行錯誤しながら、ぶつかりあいながら、前に進んでいる。
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昨夜、ふと思った。
テレビと言うのは、旅行の添乗員さんつきツアーみたいなものかと。
ネットはバックパッカーみたいなものかと。
以前は、私は、バックパックで色々各地をフラフラしていて、これこそ旅の神髄だと思っていた。ツアーでインドに行って何が楽しいんじゃい、と息巻いていた。自分を守るのは自分だけだから、ドミトリーでは自分と荷物にチェーンを巻いて一緒に寝るなんて当たり前だった。その日暮らし。現地での出会いを楽しむ。
一方、最近、ツアー旅行にも行くようになり(国内日帰り観光地巡り)、失敗のない体験、全て用意されて楽であるということに利便性を感じるようにもなった。わざわざ自分で調べなくても、バスガイドさんが知識を話してくれる。道に迷わなくても済む。渋滞に巻き込まれたら寝てしまえばいい。
二つは役割が違う。だから、どっちが正しいわけでもない。どっちも微妙に多分、偏っているんだ。
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しかし、パック旅行だけで、旅行が好きと言われると、ちょっとちゃうよなー、と思う気持ちも心の片隅にある。
どっちかというと、私はバックパッカーよりの人間なんだと再認識した。
でも、よくよく考えたら(考えなくても)、バックパックで旅行、と言う話をすると「勇気があるね」と言われるということは、とてもとても少数派なんだと言う事だ。
インストラクターアルバイトに申込むくらいだし、パソコン好きな人を募集しているくらいだから、皆、日常的にインターネットを利用している。だが、実際には、「使っている」という言葉に、私が思っている事(&うちの既存スタッフのやっていること)と応募者には思いの差があるんだろうと思う。
FacebookやTwitterをやっていると、皆が同じ感覚なのかと思ってしまうが、色々な人がいると言う事を、色々な趣向を持つ人がいると言う事を、忘れてしまいがちだからこそ、しっかり認識しなくちゃいけないな、と思う。パック旅行の感覚。これが、多分、一般的な感覚。それを忘れちゃいけない。
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ついでだが、久しぶりにいらした78歳のおばあちゃまが「インターネット習ってなかったら私、この地震、一人だから大変だったわ~。停電の情報とかね、買いだめの情報とかね、電車の情報とかね、インターネットやってたから本当に良かった!超活用してるわよぅ」と仰って下さって、なんだかとても嬉しかった。
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というので、弊社のパソコン教室@高田馬場でアルバイトさんを募集しております。
週3日~4日位で1日4~5時間くらい、(午前~夕方まで)いかがでしょうか。お知り合いがいらしたら是非。