証券会社

Aさんは、株の売買が好きだ。
D証券を利用しているが、お教室にいらしては株の売買をしている。勿論、家でもしている。
教室でやるのは、それをネタに色々なお友達が出来るからでもある。
そんなAさんが土曜日にいらした。
株の話を私としていて、反応したのが50歳代後半のIさん。
「私もそれがやりたい。」
「ネットで株がやりたいのよ。結構そういう人が多いのよ。私は電話では株をもう数十年やっているからね。」
株を数十年やっている人は多い。今、そのシニア・シルバー層(中高年)たちがネットトレードをしてみたいという。


実際にいくつか証券会社のサイトを見せる。
「ここは手数料が無料なんですよ」とか、「ここはこんなことがあるんですよ」などなど。
「なんか、証券会社のホームページって見づらいわよね」とIさんが言う。
「僕なんてD証券しか使わないからそれで充分だよ。ひとつ覚えちゃえばいいんだもん」とAさんが横から口を挟む。
「私が使っているのはN証券なのよ。」
N証券のサイトを見る。今度当社が発売するレポートにも書いてあるが(と、さりげなく宣伝)、トップに動きがあるとそこから目が動かなくなってしまう為に、シニア層にとって(若者にとっても?)ウェブサイトが愕然と使いづらくなる。(ただ、画像によっては許されるので注意)
「私、もう口座持っているからここで開けるはずよ」
「でも、ネットはネットで申し込まなくちゃいけないんじゃないですかね」
「大丈夫よ。口座あるし。」と。画面中央の無意味な画像をクリックする。
なぜかそこはクリックできない。「かわらないわね」「変わらないですね・・・。」
左に支店番号などを入れる場所もある。
「・・・。パスワードって?暗証番号のことよね」と、入力するもはじかれる。
「うーん、今日担当さんに電話して聞いてみよう」
比較的使いやすいサイトなのだが、もったいないなぁ。
証券会社の一番の問題は「初めての方へ」なのだ。うちのユーザーテストでも多くの人がこの言葉に引っかかった。でも、証券会社のウェブは中高年には大人気なので、ぜひとも改良していただきたいと願う週末なのでした。

コメント

  1. 福田成美 71歳 元教授 より:

    日本広告学会でインターネットがなぜ高齢者に使い難いか、画面の読み難さは何とかならないかなどを研究し、10月に沖縄の大学で研究発表をします。当サイトの内容は、私たちの研究にとって参考になります。ITの専門家はまったく関心がありませんが、「読み易さ、伝わり易さ、わかり易さ」を成熟期を迎えもう一度考えるべきだと学会で主張します。「インターネットのユニバーサルデザイン」研究グループ。電通吉田秀雄記念財団の助成金を得て
    2年間にわたる調査と分析の発表です。
    高齢者の具体的な生の声をお知らせいただけたら幸いです。

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