難しいの原因
30~40歳代の男性にシニア・シルバー層の男性のマーケット攻略のコツを話していたり、男性マーケットの特徴をまじめに話していると、多くの男性はちょっと苦虫を噛み潰したような顔で「男っていうのは、そういうものだよ、モリサン。」と仰る。
例えば、プライドが高いので、こういうアプローチをすると内部分裂を起こしちゃいますよ、とか、こういうふうに褒められるとロイヤリティが高くなりますよ、こういう言い方をすると思わず買っちゃいますよなどなど。
一応実際の現場と色々なアンケートとか、そういうのからある程度のルール化(文章にしたくて文章になっていないものも含む。文章になっているけどまとまっていないのもある)したものを、色々お伝えしたりすることがある。
そうすると仰るのが、件の台詞「そういうものだよ男って。」
その瞬間、私は毎回、学習能力がないのだが、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする。鳩豆vs苦虫である。
どうして豆鉄砲を食らってしまうのかというと、どうして、「オトコとはそういうものだ」と言うくせに、「シニア市場は難しい」と思うのだろう、と思うからだ。
私は男性ではないので、男性はわからないし、性別的には女性であるが、あまり女性らしくない気がするので(そもそも女性らしさとはなんだと問われたときに答えられないので)シニア層の女性の分類は肌でも頭でもわかっているけど、若い女性の分類はいまいち解らない。でも、もし自分の中に「女ってのはそういうものだ」という概念があれば、もう少し違ってくるのかもしれない。
もし、オトコとは、オンナとはそういうものだ、というのがあるのに、シニア・シルバーマーケットが解らないと嘆いているのであれば、複雑化の原因はご自身の中にあるのではないか?と、ふと思ったのでした。
研修をしながら、「高齢者は普通の人間ですよ、あなたのただ先を行っているだけですよ」という話をしていて、「普通」と言ってしまった自分の言葉に少し驚いた。普通、と言う言葉が出てくるということは、普通じゃないと思っているからだ。だから、本当に普通なんだ。あなたとは変わらない。ただ、体の機能がだんだん衰えているのと、シナプスの連携がうまくいかなくなりつつあるだけで。