押すタイミング
朝、家を出たところで、3人の妙齢のお兄様方が話し合っていた。
その家は最近駐車場のシャッターを自動にしたのですが、そのシャッターを上げるためのタイミングが難しいと言う事を真剣に話し合っているのである。
「ちょっと押せばいいんだよ」
「そのちょっとが難しいんだよ」
「だからパッと押してパッと離せばいいんだよ」
「ボクはパッと押してるんだよ」
「だからさ」
と、私が彼らの前を通る10秒ぐらい、全く生産性のない会話がずっと繰り広げられていた。
(あ、これが「離せば解る!」っていうのだ!!)
携帯操作を見ていても、ウェブ操作を見ていても、シニア・シルバー層に特徴的なのはマウス使いが難しくなるということだ。若者はパッと押してパッと離すが解る。しかし、シニア層はタイミングがわからないため長いウェブサイトだとどぴゅーんと下にスクロールされてしまったりする。
携帯のウェブサイトがPCのウェブサイトより優れているのは、スクロールボタンを長押ししていても思っている以上に動きが遅いことだ。それがシニア対応になっている。(私はイライラしますけど。いらっちなので)
切符を買おうとすると良く見る光景が、高齢者の人が画面のボタンを押せずにうんうんと困っているところ。勢い良く押せばいいのだと、押す力が足りないからボタンが押せないのだと認識している多くの高齢者はつめの先でATM画面を押そうとすらする。マウスを握るのも初心者であればあるほど、指先でマウスのボタンを叩く。私がマウスだったら「いじめられた!」とぐれるところである。それほどに、いたい、きつい。ガンガン押す。
携帯も然り。私は自分の携帯が自分にもたれていることに感謝を要請したくなる位、高齢者のボタンの叩き方は怖い。押下感が若者の指先の感覚とは違うのだ。押すことに慣れている若者、押す事を頑張る高齢者。
さて、今日のおにいさんは、無事車庫のシャッターをあけることができるようになっただろうか。
今日、朝の数秒で、そんな事を思っていた。