「どうしてそこを押すとそうなると思うわけ?」
年末です。師走です。
当社の有するパソコン教室では、毎日がお祭り騒ぎのようになり、さらに別件の仕事を抱えながらスタッフが段々やつれています。
例えば、若い方だったら、と言う言葉は失礼に当たりますが、他の方がちょっと店員さんを呼び止めていたら「ちょっとまとうかな」と思うかもしれません。ところが、妙齢の方々は、他の方がインストラクターを呼び止めていると我も我もと呼び止めるものですから・・・。推して知るべし。
そんな中ですから、私も現場に召還されます。
ワードだの、エクセルだの、インターネットだの、皆さん好きな事をやっていらっしゃるのを眺めるのは楽しいですね。
さて、そんな中でちょっと気になった言葉。
インターネットでも、オフィスソフトでも、「○○したいんですけど」という質問を受ける。
「○○したいんですね。」と答える。
「うん、○○したい。」
彼らの○○したい願望は画面からでは達成できない。
「ここをクリックするんですよ」というと、「どうして、そう思うの?」と反対に聞かれてしまった。
「いや、なんとなく、このボタンを押すとそうなる気がしませんか?」
「しませんっ」
「こういうときはここを押すって大学とか、コンピュータの専門学校で習ったの?」
「・・・いや、私、商学部出身ですし・・・」
「じゃあ、そういうルールだよって教えてくれる専門学校に通ったの?」
そもそも、本当に、毎度驚くが、開発者の「これは当たり前」と、ユーザー、それもシニアだったり初心者だったり機械が好きでなかったりすると「僕たちの当たり前」には溝がある。本当に、男性と、女性のように。
今日もNさんは、電車の時刻を調べていて、例えば確認画面が出ることも、私たちにとって当たり前のことが納得できない。「ボクを、この機械は、疑ってるのかね」「・・・(どうしてそんなに機械を疑うのよ)」「きっと、機械はモリさんのような若いオンナノコが好きなんだ」「・・・・。(あなたが思うほど若くないのに。それも、関係ないじゃん。全然、この作業とは)」
例えばうちはYahoo!がホームページになっているのだが、いくつかのPCにはGoogleツールバーが入っている。
しかし、初心者にはGoogleツールバーとアドレスバーとYahoo!の検索ボックスの違いも解らないのだ。
「これは、場所が違うんですよ」と言われても「うんうん」とはいいつつ、納得しないから覚えられない。
「なんで、ここを押すとそうなると思うわけ?」
ウェブサイトやソフトが彼らを納得させる答えを、インターフェースを出せるようになれば、多分、ウェブサイトの使い勝手や「使い方が解らない、キーッ」というクレームの電話などは愕然と減るに違いないと思う、2キロ痩せた師走の話。