団塊世代

団塊世代は高度経済成長期を戦ってきた方々である。
我々就職氷河期をくぐってきたワカモノはストイックであったり、諦めたり、ひねくれてたりもするのだが、彼らは「成長」を体で感じてきた方々なので、就職氷河期生よりも夢があり、のびのびとしている。「あの頃は、よかったよね」という体験を持っているのだ。人数が多くても皆就職できた時代。
にんげんだもの、誰だって一度や二度、大きな失敗はしているものの、「でも、バブルの頃は良かったなあ。若かったし、バリバリやっていたんだよ、ボクも。」という話しがよく出る。
となると、常に失敗体験からはじまる?就職氷河期生と団塊世代が違うのは、一度でもすごく大きな時流としての成功体験を持っているかだと思う。
随分昔、ITバブルの末席にいて、感じたことは「前のバブル世代をどこで過ごしたか」ということもあった。どの年齢で以前のバブルを体感したか、それでITバブルへの対し方が違う、と、バブルの末端で思っていた。
団塊世代は「成功」を積み重ねてきた人なので、失敗に対して妙に恐怖感がある。バブル破綻も彼らの「恐怖」を作り上げるのに一躍買ったのだろう。「できれば失敗したくない」「いや、かなり、安定したい」「すこしの冒険と、多くの安定を」「おれもいろいろあったからさあ」となる。繁栄に対しての猜疑心が弱く、失敗に対しての恐れが多い。
そんなのどの世代も同じだよ、と言われそうであるが、成功体験の有無、浮かれたような時代をどの年代ですごしたかは大きく違ってくる。それは年齢のせいだけではない。
ということで、団塊世代は皆で成功するのには結束力があるが、誰かを組み強いてでも上に行きたいという気持ちが、少し弱いように感じる。ちょっとかっこいいものを持ちたいし、だれかにかっこいいといわれたい、アウトローな感じに憧れたりもするが、大きな賭けには出ない。ナカヨシが好き!と言う人もいれば、オレサマな人もいて、それでも大きな失敗をしないように、その中でどれだけ豊かな生活を楽しめるかを楽しむ傾向にあるのが団塊世代の気がする。