クラスタの相互理解

「家族も大事だが仕事も大事」
と言っている、所謂「中堅」「管理職直前」の人と話していると
「がんばりたくない」
「そこそこでいい」
と考えている人の存在を信じていないように見える。

正社員登用試験のために勉強している方々と話していると
「正社員になって責任を求められるのは嫌」
「時代だから正社員になれと言われるけれども、そんなにがつがつ働きたくない」

等の声をきく。

求めている人は、際限なく上を見て求めていくし、周りにもそういう人が多いだろうから、そうでない人がいるということに気づきにくい。

反対に、求めていない人は、求めている人と付き合うのは疲れてしまう。よって、周りにも求めていない人が多いから「私の周りはみんなそんなタイプ」という認識になる。

求めている人は、求めていない人を「やる気のない人」と判断する。
求めていない人は、求めている人を「きつい人」と判断する。

求めている人は、転職の際も職場環境に「いい人と働きたい」を標榜する。よって、周りはどんどん「求めている人」に囲まれて、求めていない人にリーチすることがなくなる。

ここ10年、クラスタの分離が大きくなっていて、それはどんどん交わらなくなっていることを感じている。どうすべきだ、どうすべきではないか、ではなくて、私たちが知らなくてはいけないことは、「自分の属しているクラスタ以外の人が大勢いる」ことを認識することなのだと思う。

それは、共感しろという話でも、理解しろという話でもなく、
存在があることを知っておく、ということなのではないかと思っている。