公式のあてはめ方

「公式は覚えました。どこで公式を使えばいいのかわからないので、そのあてはめ方のコツを教えてください」

上記は、数学は公式を覚えればいいと教えられた方たちから出る質問の一つだ。

「一つ一つの関数が何ができるかはわかるようになったが、何の関数を使ったらいいのかわからない」

上記はパソコン講座に出た人の答えだ。

いずれも、答えは一つ「やってみなはれ」なのである。

一発で正解を求めずに、試行錯誤して、涙の数だけ強くなれれば(といったら、生徒さんに「古すぎる、今の若い子には伝わらない」と爆笑されたが)、初めてものになる。

と思うのは古い人間なのだろうか。練習量に勝るものはない。

テニスを習って、ボールが飛んできた瞬間に、先生の所に駆け寄って「先生、あのボールの場合はどういう風に打ち返せばいいですか」というのを毎回繰り返すわけにはいかない。間違ってもいいからやってみればいい。やってみてわからなかったら聞いてほしい。

なのだが、机の前で固まる人は本当に多い。たぶん、正しいやり方でないことが不安なのだろう。

知識は武器である。武器は色々使えた方がいい。特に、基礎学習においては、武器=考え方だから、いろいろな考え方ができるようにしておいた方が選択の幅が広がる。
しかし、練習なしで武器を使えるようになるわけない。うまいやり方などない。うまいやり方があれば、小学校、中学校、高校と長く数学を習う必要はないだろう。パソコンも「実務経験」が幅を利かせることはないだろう。RPAの出現によって状況が変わることはあれど、考えることを必要とするスキルはなくならない。(ことを祈る)

やってみなはれ。気軽な言葉だが、重く、深い。

つまり、公式のあてはめ方など覚えるより、やってみなはれが私が贈りたいことばであるということだ。