あたりまえ
初心者は解らないことがわからない。解る人には解らない人の気持ちがわからない。
私にとっての当たり前は、アナタにとっての当たり前じゃない。
あなたにとっての当たり前は、私にとっては摩訶不思議。
切り口上のように、唱える。
先日当社スタッフにSさんが質問をしていた。
「友達がGoogleと契約しておけっていうんです。でも、もう独りがYahoo!と契約したほうが良いって」
面接のときに、する質問
「うちは、Yahoo!が見えるのでYahoo!と契約していると思うんですけど、楽天で買い物をしたい場合、楽天と契約をしなくちゃいけないですか」という質問に答えてください。というもの。
ここでバラしたくはなかったのですが(笑)この反応を見て採用を決める。この質問は研修にも利用してます。なのでよい答えは書きませんが・・・
このときにたいていの「解る」人は驚く。落ち着いてその場で回答が出せるのは、わからない人の気持ちを解ろうとしてくださる方である。Googleとの契約、Yahoo!との契約、インターネットには解るようで解らないことがたくさんある。スイッチ一個でぽんとインターネットができそうであるが、その仕組みは初心者にはとても難しい。
↑このときに、初心者の気持ちを汲まずに回答すると、それはNGとなる。初心者の視点をどこまで持てるか、というのは重要なのであります。
私たちもふと気づくと「そんな当たり前のこと」と「当たり前」に目くらましをかけさせられる。
先日、超優秀なK君が、私が、彼が知っていて当たり前だと思っている事を「そんなこと初めて知りました。いつからですか!?」と言ってきた。一瞬「なんと、こんなに優秀なのにこんなことを知らないのか!」と思い「いや、これは私がインターネットの当たり前を当たり前だと思っていることに依存しているんだ!」と言うことに気づいた。
ウェブを作っている人の世界は狭い。もちろん、どこの業界でも、そこしか見ていない人は狭い。みんな、それぞれ狭いところを生きている。私だってシニア・シルバーばかり見ていて、実は自分のオヤジギャグをフツーだと思っているが、すごい狭い。若者と話すと浮いている自分がいる。おじさんといると馴染んでいる自分がいる。
狭い事を攻めてるんじゃない。
狭い世界の「当たり前」にどっぷり浸かって ゆで蛙になっていることに気をつけましょうね、ということを言いたいのである。
今も仕事で「これって常識で判断して欲しいよね」と言いながら、「その常識が通用しない」ことを前提に私たちは仕事をしなくちゃいけないんだと、思う今日この頃。
※ゆで蛙=熱いお湯に入れられた蛙は熱いことにすぐに気づくが、冷水からクツクツ茹でると蛙は茹でられていることに気づかず茹で上がってしまうという話。見たくないけど。