パニック!

予期しないことが起きると、人はパニックを起こす。
昔からのインターネットユーザーさんなら必ずや一度は*間違えて*してしまったことがあるはずの goo.co.jp へのアクセス。私はそれを大学でやってしまった。(知らない人は読み流してください)
次々と現れるポップアップ。それらのポップアップを消すのにアップアップしている間に情報処理の授業のために教室に来る人々、あたふたしている私を見て「うわあ、パソコン使っているオナゴはやはり怪しい。」という目で、私を見ていた。(当時はパソコン人口も多くなかったですし。ヲタクじゃない人でパソコン室に入り浸ってるのって私ぐらいでした。)
そんなことを思い出したのはMさん(68歳)が操作しているエクセルを見て。
グラフを移動しようとして、グラフの上でマウスを乗せて、下にドラッグした瞬間、ドラッグしすぎて画面がすごい勢いでスクロールされていく。
何が起きたか解らないMさん。
「ひゃあ。」「Mさん、マウスはなしてください!」「え、マウス、どこどこどこどこ?」「あ、右手」「え?右手?どっち?」「ご飯を食べる手です。」
これはコントではない。なんの落ちもない。パニックが起きて、画面がスクロールされている間に、彼女のすべてが固まってしまう。右手、と普段何気なく使っている言葉も、パニックの時にはまったく理解ができない。
ちなみに、とにかくマウスから手を離させて、もう一度マウスでグラフを上に持っていかせて見る。
案の定、とめたかったところで「あっ」と気づいて、気づいてすぐに手がマウスから離れるわけではなく、やはり「話さなくちゃ」という思い・信念がマウスから手を離させたのは数秒後であった。(本当は戻るボタンで戻っていただければよかったのですが、反応学習がどこまで応用できるのかが知りたかった。)
あ、と気づいてから、実行に起こせるまで、若者と高齢者にはかなりのタイムラグがある。
Mさんの前にWさんという若奥様がいらしていて、その方も同じことをなさっていたのですが、「あ」と気づいて指をマウスから話す(Mさんは手をマウスから離す)時間は本当に短かった。
たとえば、余白の設定など、小さな▼を連続して押すときもそうである。
画面を見ないで入力してしまい、入力した後に、BackSpaceを長く押すときもそうである。
「あ、ここで終わらなくちゃ」と気づいてから実際に行動を終わらせるまでにかなりの時間がかかる。
インターネットもそう。
左ボタンを押すつもり(つまり、クリックして下にいく)←たいていのシニアは下向きボタンをクリックするのが好きで下向きボタンを数回押して「繰る」(という言い方をする)間に興奮して中央のコロコロ(ホイール)を押してしまったらさあ大変。どじょうが出てきてこんにちは。と思わず口ずさみたくなる。
何かが起きたとき、シニア層はすぐに対処ができない。頭でわかって行動に移せるのに時間がかかる。
そういうことも踏まえてウェブサイトを提供すべきなのである。シニア向けは。