私とあなたは見えているものが違う
昔の話。
とても素敵な男性がいた。
遠くから見てカッコイイナーって観察していた。
ある日、近くで話す機会があり
ニコッと爽やかに笑った彼の笑顔に私は釘付けになった。
歯石がひどかった。
思わず、見たくないが、見入ってしまった。
惚れている女の子なら、彼の眼を見てうっとりするとこだろうが
彼の歯石から目が離れない。
いや、本当は離したい。
彼の笑顔全体が見たい。
が、口元に釘付けになった。
見るべきところはそこじゃない。
私は目をそらしながら、適当に相槌を打って去って行った。
「俺に惚れてるのかな。だから、まっすぐ目を見れないのか」
と、彼は思ったかもしれない。(知る由もない。覚えてもないだろうし)
私は2つの教訓を得た。
1)憧れの人は、遠くから見ること。よき人は、遠くにありて思うもの
2)きゃぴきゃぴした雑誌には、
女性は男性の手を見るとか、目を見るとかいろいろ書いてあるけども、
気になるものにはくぎ付けになってしまい、そのほかのことに目が届かなくなる
ということだった。
実は、サイトでも同じなのである。
一般的にZ型だの、F型だの言われても、
そのサイトに「何か」があれば、目が釘付けになる。
しかし、その「何か」はサイト制作者にとって自然過ぎて
相手がそんなところを見ているとは、まったく気づかないのである。
下記動画、ご覧ください。
(協力感謝:販促・宣伝・ノベルティ・粗品用、名入れペンならオープニング(別ウィンドウ)
一般ユーザーは真ん中の青いペンが目立ちすぎて、そこから視線を動かせないでいます。
反対にオーナーさんは、青いペンが普通に見えるので、立ち止まりもしない。
思いもしないところでユーザーは目が留まってしまう。
そう、まさかの、歯石とか。
もう、歯磨きの広告が作れちゃうほどに。
ところで、
弊社のある高田馬場は学生ローンが多いのですが
あまりにも普通にありすぎて気にも留めていませんでした。
空気のように、駅の鉄腕アトムの壁画のように、高田馬場になじんでいました。
しかし、遠方よりいらした方が「高田馬場ってすごい学生ローンの看板が多くて異質」
とおっしゃったのです。
そういわれると、確かに。
確かに、そういえば、
ほかの駅ではそんな看板を見ない。
あああ、日常って怖い。
当たり前って思っていることって怖い。
高田馬場の駅に学生が転がっていても
「春が来たんだな」くらいにしか思っていないのに
ほかの地域から人が来るととても驚かれる。
電柱に人がとまっていても
「ん、今日は早慶戦か?」としか思わないですが
ほかの地域からいらした人は警察に通報するレベル。
高田馬場に染まりすぎている私に絶望した!
お銀座とかに染まれる女子wになりたい!
丸の内OLとかに染まりたい。
今の私じゃ顔が丸いOL(OLでもない!)
ということで、
ずいぶん長い前置きですが、
自分が見えていないものを、ユーザーは気になる。
そして、オーナーは、制作者は、それに気づかない。
気になることは、
オーナーにとっては風景になっているような普通のことで
相手にはちょっと引っかかるようなこと。
それを知るためには、ユーザーを観察するしかわからない。
と、思う。