ウェブサイトと方向音痴
私は、方向音痴である。
「ああ、所謂地図が読めない・・・ってやつね」ではないのです。地図は読める。どこからどこに行く、というのは結構確実にできます。等高線も読めますし。
何が苦手かというと、俯瞰的に場所を見るのが苦手なのです。
なので、この1点と違う1点が行けない。
どういうことかといいますと、住友三角ビルにはいける。都庁にもいける。だが、住友三角ビルと都庁がどうつながっているのかはわからない。
学校にはいける。私が通っていた中学は駅から遠かったのですが、一定の方向からしか私は学校に行けない。反対の方向だと頭がこんがらがるのだ。そう、勘が悪い。
私が運転が下手だというのは運転の技術もさることながら、道の原理を全く解っていないということが運転の下手さを助長しているような気がする。一度、お台場にすんなりいけたので、もう一度行こうとしたら品川駅周辺あたりでまるで迷路に入り込んだようになってしまった。同乗者が「もう一度、この道を通ったら頭悪いんじゃないかと思うんだけど」と目を三角にして私に通達してきたくらい、解らない。道が全て京都のように碁盤の目であればいいのだが、斜めなどを向いていると、もうだめだ。どの時点で平行でなくなったのかが私の小さな頭では理解できない。
昨日もとある店で待ち合わせをした。地図をおいてきてしまったので、電話でうちのスタッフにナビをしてもらった。
「地下鉄を出たらすぐ右」と彼女が言う。
地下鉄を出て、少し先に右に曲がれる道があったので、曲がった。
正解は、地下鉄の出口を出て、迷わず右、だったのだ。迷って先に歩いてから曲がってしまったので、店からは大きく離れてしまった。そして遅刻をした。迷わず右、でもいいし、曲がれ右、でもいいし、「出たら右」よりははるかにいいかと思う。
某社にもいったのだが、某社への地図を頂いたら、行くまでに3本ほど道がある。となると、どの道を行けばいいのか悩むのだ。着いてから「なーんだ、上見て歩けばよかったんだ」と思ったが、強い雨が降っていたし、それはできなかった。
となると、地図を見ながら、「あれ、この辺にあるはずなのに・・・間違えたか、もう一度戻ろう」と戻ったりするものだから、いくら早く着いても早くつけない。目的地が遠い。
先日、はじめての土地に行った。地図は貰っていた。が、途中で不安になったので駅に引き返した。(正解はあと数メートル先立った)
この立て続けの方向音痴、というよりも迷子っぷりに、シニア層とインターネットを思う。
全体的な俯瞰ができない。マウスの周りしか道がないと思っている。全体的に見ればメニューバーで戻れるのに、それすらもできない。ウェブの中で迷子になってしまう。
車はスピードが速いので、さらに土地感覚を得られない。自慢じゃないが、姉の家に一人でいけない。(車なので)
インターネットも何かと流れる。何かと早く感じる。
「このホームページを見るのに、マニュアルはないの?」と聞かれた。
マニュアルは一種の地図である。これからこのサイトを使うとどういう風に見えて、どういう風な結果が現れるのか、どうなるのか、知りたくてたまらない。知らないと怖くて動けない。多くのサイトは、方向音痴の人が安心できる仕組みにはなっていない。
方向音痴とシニア層とインターネットは似ている。
あなたのウェブサイトは、方向音痴の人のことも、きちんと考えていますか?
いやー、しかし、これだけ毎日迷うとかなり悲しいです。東京育ちの田舎モノなので・・・。