シニアとネーミング
私は基本的に大雑把な正確なので細部はあまり見ない。
シニア層は細部から入る。ウェブサイトでも、「ウェブサイトを見てください」というと、なんでこんな妙なところを指摘するんだろうと時折思う質問をされる。例えば、「この日本語変じゃない?」とかも含まれる。ちょっとしたことで解らなくなったり、見栄を張ったりする。ちょっとしたプライドを傷つけると、若者よりも防衛本能が働く。すごく繊細で、すごく細かい。プライドが高い。周りから抜け出ることも嫌いだが、負けるのも嫌い。だから、細かい。
「まみちゃんはバリバリ働いてるけど、あの子は結婚したからね」という「仕事とワタシ、どっちが大事」みたいな競争をワタシに投げかけてくる。同質でありたいが故に、差に対して敏感である。65歳くらいまで妙な優劣をつけたがる。まあ、人間なら誰しもですけど。
なのに、自分で何かを検索したり、入力するときには、同一人物かと思えるほど大雑把である。
今日のMさんは、最近始めたばかりなのだが、「一時期」という文字をうとうとして「ねえ、もりさん、イチって打つのめんどうだから、-でもいい?」とハイフンをさしてきた。いや、そりゃ文字に失礼だろう。
「それって、砂糖取るの面倒だから、同じ白だからいいやと思って塩を掛けるようなものじゃないですかね。」と全うに反論すると「そうか、やっぱりイチって打たなくちゃだめか、面倒だな。」と仰る。
Kさんは検索をしながら「これぐらいいいんじゃない?」と小さい「つ」とかを平気で無視する。「それって、ダイヤってうとうとして「タイヤ」って打ってるようなもんですよ。見た目は同じですけど、もらって嬉しいのと売って価値があるのはダイヤですよね。」とこれまた全うに反論する。「そりゃそうよねー。納得したわ。」
画面で細かいものを確認するのはシニアにとってとてもとても苦痛である。
さらに、しゃべり言葉と入力する言葉が違うというのも問題である。江戸っ子は「しこうき」で変換しようとするし。(飛行機のこと)
入力ミス、というよりは、基本気にしない、という姿勢について時折私は本当に感動するのである。
だから、シニア向けに商品を開発するときに難しい言葉とか、わかりづらい言葉だと「うわー、なんかかっこいー」という意見は出ると思うけど、誰も検索はできない。という意味で、大人の休日はすばらしいネーミングだと思う。
今日のまとめ
検索されたいシニア向けサービスならば、
1)カタカナはできる限り使わない
2)思い出せる・想像しやすい言葉にする
3)複雑ではない言葉にする
4)短い言葉にする。駄洒落も万歳
5)シニア層がかっこいい!ということばを信じない。(得てしてその場のノリが多い)