シニアへのリーチ
リクルートさんのコレカラ プレ創刊号を弊社のパソコン教室に置いていた。
50歳からの、という言葉に触手が伸びない。置いてあるだけでは誰も持っていかない。遠巻きに雑誌を見ている
ああ、50歳以上のと言う言葉はNGワードかな、など少し冷めた目でその雑誌を見ていた。
とはいえ、配布しなくてはいけないので、「まあ、取り合えず読んでみましょう。プレ創刊号はタダだし。」と無理やり持ち帰らせる。
同じ時期、新宿でコレカラを配布していた。
「50歳以上の方の為の雑誌の無料サンプルでーす」
私の前で渡されたおばちゃんが「それってどういう意味?」と手渡されて複雑そうな顔。(どうやってみても50歳以上じゃん!複雑な女心?)
ホットペッパーなどの配布の時とは違い、持って行かれる頻度が遅い。
私は待ち合わせを装い、配布状況をほんのり見ていたのだが、かなり苦戦しているもようだった。
ところが、弊社で雑誌を渡された人たちが次いらした時に口を揃えて言った。「あの雑誌楽しいから定期購読したわよ。」「あの雑誌見てクルーズ申し込んでみた」「喫茶店とか友達と行く事にした」
今まで、雑誌を読んでいるという人はほとんどおらず、雑誌を読む機会は女性ならば美容院もしくは銀行というのが主であった。どんな雑誌を読んでいるのかはいつも私の疑問だったので、いろいろな人に聞いたことがあるが、特に読んでない、という答えばかりだった。
雑誌を読んでいる人に出会っても、読んでいるのはオレンジページ等の料理系が多く、旅行等はDMが送られてくるから必要ない、読むのが面倒と口を揃えて言っていた。
なのに、定期購読だ。
シニア層は新しいものを受け入れないんじゃ無くて、手に取るまでのリーチが異常に長いんだと思う。
まず「いらない」から入る。
実際、配布している時も「いらない」という答えも多かった。「まあ、いいから。」と持ち帰らせ、そして、読ませる。読むと楽しいから定期購読をする。
えー、あんなにいらないって言ってたのに・・・50歳からなんて・・・って言ってたのに・・・
「たぶん、うちのサンプリング先で定期購読する人いないんじゃないですかねー」と言っていたのが良い形で覆された。(あ、もちろん内容が充実しているから皆さんが定期購読するわけなのですが)
シニア層は最初の最初でいろいろな言い訳を作る。
読まない、必要ない、わからない、難しそう
しかし、実際無理やり持たせると楽しんだりする。
とある商品のモニターも数名にしていただいているのだが、最初のころは「難しいのは嫌」「面倒くさい」「説明書を読みたくない」とダダこねていた皆さんが、今では「これが発売されたら買いたい」「面白い!」
どうやったら最初の1歩を踏み出してもらえるのだろう?
娘・息子(もしくは親しい他人)からの強要、あるいは?
今期の新宿区のIT講習会では目的別講座をいくつも設けてみた。これをつくるための講座です、などなど。なのに、それはあまり人気がなく、結局人気があるのはワード、エクセル講座。こんな名前では何ができるか(まあ、ワードとエクセルだけども)解らないのにこれらの講座は倍率が高い。反対にインターネットでお得に買い物をしよう、とか、チラシ作成講座などは倍率が低い。
シニアへのリーチは他人からの影響(または強制)、そして誰もがやっている状態を作り上げること(みんなやってるよ)が重要なのかな、とコレカラを見ながら考える。
難しいなあ。うーん。